広告 車中泊の工夫

エブリイワゴンで車中泊!段差解消で快適な寝床を作るための完全ガイド

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スズキのエブリイワゴンは、その圧倒的な室内空間と優れた経済性から、車中泊を楽しむためのベース車両として絶大な人気を誇ります。

軽自動車というコンパクトなボディに、大人でも足を伸ばせる広大な空間を秘めたこの車は、まさに「移動できる秘密基地」。近年のアウトドアブームや、より自由な旅を求めるライフスタイルの変化を背景に、エブリイワゴンで車中泊を始める方は後を絶ちません。

しかし、多くのオーナーが最初に直面するのが「シートを倒しても、意外と段差があって快適に眠れない」という、シンプルかつ重大な問題です。

この記事では、エブリイワゴンでの車中泊における永遠のテーマ、段差解消の具体的な方法を、初心者向けの簡単なアイデアから上級者向けの本格的なDIYまで、あらゆる角度から徹底的に解説します。

DIYによる改造はもちろん、ニトリやすのこといった身近なアイテムを活用した驚くほど効果的なテクニック、さらには家族4人で就寝する場合の特別な工夫まで、あなたの車中泊ライフを格段にレベルアップさせるための情報を網羅しました。

まずは基本となる正しいフルフラットのやり方をマスターし、次にマットや便利なベッドキットの選び方へと進んでいきましょう。この記事を最後まで読めば、エブリイワゴンが最高の寝室に変わるための、全ての知識が手に入るはずです。

記事のポイント

  • エブリイワゴンの段差を解消する具体的な方法
  • ニトリやすのこを活用した手軽なアイデア
  • 本格的なDIYやベッドキットの選び方
  • 4人就寝時などシーン別の快適化の工夫

エブリイワゴンで車中泊 | 段差解消のアイデア集

エブリイワゴンで車中泊 | 段差解消のアイデア集

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  • 正しいフルフラットのやり方とは
  • 段差解消にすのこを活用する方法
  • ニトリ製品で快適な寝床を作る
  • 最適なマットの選び方とポイント
  • ジョイントマットを重ねるお手軽技

正しいフルフラットのやり方とは

正しいフルフラットのやり方とは

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エブリイワゴンで快適な車中泊スペースを構築する上で、全ての土台となるのが「正しくシートをフルフラットにする」という最初のステップです。

この基本操作を丁寧に行うことで、その後の段差解消作業の難易度が大きく変わります。手順を間違えると、本来発生しないはずの段差が生まれたり、シートがうまく固定されなかったりするため、まずはメーカーが想定する基本の操作を確実にマスターしましょう。

エブリイワゴンがなぜこれほどまでにフルフラットに適しているのか。その答えは、もともと荷物を効率よく積むために設計された商用バン「エブリイ」をベースとした、徹底的に四角を追求した箱型のボディ構造にあります。

この設計思想により、現行モデル(DA17W)では室内長2,240mm×室内幅1,355mm×室内高1,420mm(ハイルーフ車)という、軽自動車の規格内で最大級の空間効率を実現しています(出典:スズキ株式会社 エブリイワゴン公式サイト)。

この広大な空間を、就寝スペースとして最大限に活かすための手順は以下の通りです。

【詳細解説】フルフラット化の基本ステップとコツ

手順操作の概要ポイント・注意点
1前部座席の前方スライドハンドル等に干渉しない限界までスライドさせます。この時、背もたれを少し起こしておくと後の作業がスムーズになります。
2後部座席の格納ストラップを引き座面を跳ね上げた後、背もたれを倒して荷室と連結します。「カチッ」というロック音を必ず確認し、安全を確保してください。
3前部座席ヘッドレストの取り外し支柱根元のボタンを押しながら引き抜きます。外したヘッドレストは、紛失しないよう、かつ就寝の邪魔にならない場所に保管します。
4前部座席のリクライニングリクライニングレバーを引きながら、背もたれを後方へゆっくりと、完全に水平になるまで倒します。これで広大な空間が完成です。

この手順により、高身長の男性でも余裕で足を伸ばせる、約180cm以上の就寝スペースが生まれます。これは、一般的なシングルベッドの長さ(約195cm)に迫る広さであり、軽自動車の中でこれほどの空間を確保できる車種は他にほとんどありません。

しかし、ここで満足してはいけません。この状態はあくまで「土台」ができたに過ぎないのです。

よく観察すると、シートベルトの硬いバックル部分の突起、前席と後席の間の避けられない隙間、シート自体のクッションが生み出す微妙な凹凸など、快適な睡眠を妨げる細かな段差が至る所に潜んでいます。

これらの凹凸が就寝中に背中や腰に当たると、無意識に体をこわばらせ、熟睡を妨げます。最悪の場合、翌朝の体の痛みにつながることも。次のセクションからは、これらの段差を解消し、真に快適な寝床を作り上げるための具体的なテクニックをご紹介します。

段差解消にすのこを活用する方法

段差解消にすのこを活用する方法

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ホームセンターや家具店で手軽に入手できる「すのこ」は、多くの車中泊愛好家が実践する、段差解消の王道アイテムです。

一見するとただの板ですが、フラット化したシートの上に敷くことで、複数の凹凸を一気に「面」で覆い隠し、安定した平らな土台を構築する絶大な効果を発揮します。

最大の魅力は、その圧倒的なコストパフォーマンスと、初心者でも挑戦しやすい加工のしやすさにあります。エブリイワゴンの荷室サイズは車種や年式で微妙に異なりますが、メジャーで採寸し、のこぎりで不要な部分をカットするだけで、まるで専用品のようなフィット感を得られます。

さらに、複数枚のすのこを蝶番(ちょうつがい)で連結すれば、使わないときはコンパクトに折りたためる自作ベッドベースが完成。DIYの第一歩としても最適です。

木材の種類によっても特徴があり、軽量さを最優先するなら「桐」、耐久性や調湿効果、リラックスできる香りを重視するなら「檜」など、予算や好みに合わせて選ぶ楽しみもあります。

また、すのこが持つ本来の機能である「通気性の確保」は、閉鎖空間である車内において非常に大きなメリットとなります。

人間は睡眠中にコップ1杯分(約200ml)の汗をかくと言われており、その湿気がマットの下にこもると、不快なだけでなく、結露やカビの原因にもなりかねません。

すのこを一枚敷くだけで、マットとシートの間に空気の通り道が生まれ、湿気を効率的に逃がすことができるのです。これは、車を長く清潔に保つ上でも非常に重要なポイントです。

【要チェック】すのこ活用の注意点とワンランク上の対策

便利なすのこですが、快適に使うためにはいくつかの注意点があります。

まず、木材は硬いため、上に必ず厚みのあるクッション性の高いマットを敷くことが前提となります。

また、そのまま置いただけでは、走行中の振動でガタガタと音を立てる「きしみ音」が発生しがちです。

これを防ぐには、すのこの裏面や車体との接触が予想される部分に、100円ショップなどで手に入るフェルト製の傷防止シールやゴムシート、隙間テープなどの緩衝材を貼ると劇的に改善します。

さらに、木材のささくれが車内のデリケートな内装を傷つけないよう、購入後に角をサンドペーパーで軽く面取りしておくという一手間も、愛車を大切にする上でおすすめの対策です。

まずは加工せずに荷室に置いてみるだけでも、その効果は十分に実感できるはずです。そこから少しずつ自分仕様に手を加え、「育てる」楽しみがあるのも、すのこ活用の魅力と言えるでしょう。

ニトリ製品で快適な寝床を作る

ニトリ製品で快適な寝床を作る

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「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで知られるニトリは、車中泊ユーザーにとってまさに宝の山です。

車中泊専用品こそ扱っていませんが、一般家庭向けに開発された膨大な種類の寝具やインテリアアイテムの中に、エブリイワゴンの車内に驚くほどシンデレラフィットする製品が数多く存在します。

ニトリ製品が選ばれる最大の理由は、その圧倒的なアクセスの良さと、実物を確認できる安心感にあります。全国各地に店舗を構えているため、実際に商品に触れ、硬さや重さ、質感を確かめてから購入できます。これは、通販でしか購入できない専用品にはない大きなメリットです。

特に人気が高いのが、三つ折りや六つ折りにできるタイプのマットレスです。使用しないときはコンパクトに折りたたんで荷室の隅に立てかけておけるため、日中はリビングスペース、夜はベッドルームといった空間の効率的な使い分けが可能になります。

マットレスの厚みも4cm程度の薄型から10cmを超える極厚タイプまで多岐にわたります。フルフラット後のシートの凹凸を完全に消し去り、快適な睡眠を得るためには、最低でも厚さ7cm以上のウレタンマットレスを選ぶことを推奨します。

これにより、シートベルトのバックルなどの硬い突起もほとんど気にならなくなります。

ポイント

購入前に絶対に欠かせないのが、車内寸法の正確な計測です。特に荷室の幅は、壁から壁までの最大幅だけでなく、タイヤハウスが出っ張っている最も狭い部分の距離を測っておくことが、失敗しないための最重要ポイントです。

ニトリの公式ウェブサイトで商品の寸法を事前に確認し、メジャー片手に自分の車に収まるか、ドアの開閉に干渉しないかなどをしっかりシミュレーションしましょう。

マットレス以外にも、意外な伏兵が活躍します。それが、EVA樹脂などで作られた「お風呂マット」や「パズルマット」です。これらは軽量でカッターで簡単に加工でき、防水性・断熱性にも優れています。

段差が特に気になる部分にだけ、これを数枚重ねて敷き詰めることで、高さをピンポイントで調整する安価なアジャスターとして機能します。

これらの一般製品を賢く組み合わせることで、高価な専用品にも決して劣らない、自分だけのオリジナル快適空間を創造することが可能なのです。

車中泊の布団選びはニトリが正解!快適睡眠のためのおすすめ商品紹介」でも、ニトリのおすすめの寝具について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

最適なマットの選び方とポイント

最適なマットの選び方とポイント

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車中泊の快適性を最終的に決定づける最重要アイテム、それがマットです。すのこやジョイントマットでどんなに完璧な土台を整えても、その上に敷くマットの性能が低ければ、良質な睡眠は得られません。

マットには様々な素材や構造の製品があり、それぞれに一長一短が存在するため、自分の体力、予算、そして最も重視するポイント(寝心地か、収納性か)を明確にして選ぶことが極めて重要です。

ここでは、主流となる3つのタイプについて、その特徴と選び方を深く掘り下げていきます。

ウレタンマット:手軽さと安定感の王道

キャンプ用や家庭用として最も普及しているのがこのタイプ。

高密度なウレタンフォームが体圧をしっかりと分散し、安定した寝心地を提供します。特に、適度な硬さで体が沈み込みすぎない高反発タイプは、自然な寝返りをサポートするため、腰痛持ちの方や寝相が気になる方におすすめです。

設置はただ広げるだけと非常に手軽で、素材自体の断熱性が高いため、地面からの冷気が伝わりやすい冬場の車中泊では特に頼りになります。

ただし、芯材があるため収納サイズが大きくなりがちなのが最大の弱点。車内の収納スペースに余裕がある方向けです。

インフレーターマット:寝心地と収納性の両立

「インフレーター」の名が示す通り、バルブを開くと内部のウレタンフォームの復元力で半自動的に空気が入る、ハイブリッド構造のマットです。

ウレタンの安定感とエアマットのクッション性を両立しており、寝心地は抜群。空気の量を調整することで、自分好みの硬さに微調整できるのも魅力です。収納時は体重をかけて空気を抜きながら丸めることで、ウレタンマットよりも格段にコンパクトになります。

価格はやや高めですが、「寝心地も収納性も妥協したくない」という欲張りなニーズに応える、非常にバランスの取れた選択肢です。

エアマット:コンパクトさとクッション性

完全に空気のみで膨らませるタイプで、その最大の魅力は収納時の圧倒的なコンパクトさです。電動ポンプを使えば設営も比較的簡単で、厚みを自由に出せるため、下の段差を完全に吸収するほどのクッション性を得られます。

フカフカとした寝心地が好きな方には最適です。一方で、寝返りを打つ際の「ギュッギュッ」というビニール音や、体が揺れる感覚が気になる方もいます。また、万が一鋭利なもので穴が開くと、修復するまで使用不能になるというリスクも考慮しておく必要があります。

【詳細比較】車中泊マットの種類別 完全ガイド
種類寝心地収納性設置の手軽さ断熱性価格帯こんな人におすすめ
ウレタンマット★★★★★★★☆☆☆★★★★★★★★★★安い~高い設営・撤収の手軽さを最優先し、安定した寝心地を求める人。冬キャンプがメインの人。
インフレーターマット★★★★★★★★★☆★★★★☆★★★★☆普通~高い寝心地と収納性のバランスを最高レベルで両立させたいオールラウンダー。
エアマット★★★☆☆★★★★★★★★☆☆★★☆☆☆安い~普通バイクツーリングなど、荷物の積載量が限られるスタイルでも車中泊を楽しみたい人。

これらの特性に加え、マットの厚みも重要な選択基準となります。

一般的に、5cm厚でも最低限の快適性は確保できますが、より快適な睡眠を追求するなら8cm〜10cm厚のモデルを選ぶと、ほとんどの段差を気にすることなく朝までぐっすり眠れるでしょう。

ジョイントマットを重ねるお手軽技

ジョイントマットを重ねるお手軽技

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子供のプレイルームやフィットネス用途で広く使われているジョイントマット

一見すると車中泊とは無縁に見えますが、実はエブリイワゴンの段差解消において、その手軽さと効果で右に出るものはないと言っても過言ではないほどの「隠れた名品」です。特別な工具や専門知識を一切必要とせず、誰でも低予算で挑戦できるのが、この方法の最大の魅力です。

作業内容は極めてシンプルで、まさに「敷き詰めるパズル」です。まず、段差が気になる荷室後方部分や、シート間の隙間にジョイントマットを配置します。そして、段差の高さや傾斜に応じて、カッターナイフで大まかにカットしたマットを、必要な場所に、必要な枚数だけ重ねていくだけ。

エブリイワゴンの荷室は、後部座席を倒した部分と元々の荷室部分で、実は数センチの微妙な高さの違いや傾斜が存在します。ジョイントマットなら、1枚単位で厚みを微調整できるため、まるで粘土で造形するように、完璧な水平面をミリ単位で追求することが可能です。

見逃せない!ジョイントマット活用のメリット

メリット・特長詳細
圧倒的な低コストホームセンターや100円ショップなどで驚くほど安価に購入できます。数千円の予算があれば、車内全体をカバーすることも可能です。
究極の加工性必要な道具はカッターナイフとハサミだけ。特別な作業スペースも不要で、車内で現物合わせをしながら気軽に作業が完結します。
多機能な素材特性主素材であるEVA樹脂は、クッション性に加え、軽量でありながら優れた断熱性・防水性・衝撃吸収性を備えています。冬は底冷えを防ぎ、夏は地面からの熱を遮断します。
抜群の耐久性とメンテナンス性安価な発泡スロールのように簡単に割れたりへたったりする心配がありません。汚れてもその部分だけを取り外して水洗いできるため、常に清潔な状態を保てます。

この方法のもう一つの特筆すべき利点は、その「可変性」です。後部座席を日常的に使用する場合は、座席部分に敷いたマットだけをさっと取り外せば、すぐさま4人乗りの普段使いモードに戻せます。

このようなオン・オフの切り替えが簡単なため、車を「車中泊専用」にしたくないユーザーにとって、これ以上ないほど合理的な選択肢となります。

大掛かりなDIYに踏み切る前段階として、まずはこの方法で段差解消の基本を試してみることをおすすめします。

エブリイワゴンの車中泊を快適に!寝床の段差解消を極める

エブリイワゴンの車中泊を快適に!寝床の段差解消を極める

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  • ベッドキットで快適な寝心地を
  • 本格的なDIY改造で理想の空間に
  • 4人就寝時のスペース確保と工夫
  • ヘッドレストの傾斜をなくす工夫
  • エブリイワゴンでの車中泊における段差解消のコツまとめ

ベッドキットで快適な寝心地を

ベッドキットで快適な寝心地を

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「DIYに費やす時間や自信はない。でも、どうせなら自宅のベッドと変わらない、最高の寝心地を手に入れたい」。そんな贅沢な願いを、いとも簡単に叶えてくれるのが、市販されているエブリイワゴン専用設計のベッドキットです。

車種専用にミリ単位で設計されているため、まるで純正オプションのような完璧なフィッティングを実現。複雑な作業は一切不要で、多くは工具すら使わずに組み立て・設置が可能。車内が一瞬にして、完璧な水平と広さを持つ、極上のベッドルームへと変貌します。

ベッドキットが提供する最大の価値、それはシートの凹凸や傾斜といった下地の状態を完全に無効化し、堅牢なフレームで理想的な水平面を作り出す点にあります。

フロアから数十センチ高い位置にベッド面が来るため、下のシート形状が寝心地に一切影響しません。その安定感と完璧なフラットさは、どんなに高価なマットを直置きしても決して得られない、まさに「別次元」の快適さを提供します。

そして、もう一つの計り知れないメリットが、ベッドの下がまるごと巨大な収納スペースとして活用できることです。

高さのあるコンテナボックス、かさばるキャンプ道具、数日分の着替えなどをすべて床下にスマートに収納できるため、ベッド上は常に広々と整理された状態を保つことができます。

これにより、就寝スペースと生活スペースが明確に分離され、車内での居住性が劇的に向上。長期の旅行でもストレスなく過ごすことが可能になります。

【後悔しないために】ベッドキット導入前の確認事項

非常に魅力的なベッドキットですが、その利便性と引き換えに、導入前にはいくつかの点を確認し、納得しておく必要があります。

第一に価格です。数万円から、高機能なものでは十数万円と、車中泊ギアの中では最も高価な投資の一つとなります。

第二に重量と収納。キット全体で30kgを超える製品も多く、頻繁な脱着は一人では重労働になる場合があります。常設しないのであれば、自宅にそれなりの大きさの保管場所も確保しなければなりません。また、常に車載しておく場合は、その重量が燃費に与える影響も無視できません。

最後に、自分のエブリイワゴンの年式・型式・グレード(ハイルーフか標準ルーフかなど)に確実に適合しているかを、販売店の情報を隅々まで確認することが必要です。

スズキの純正アクセサリーとして、品質と安全性が保証された製品が用意されているほか(参照:スズキ公式サイト 二段ベッドセット)、多くのカスタムパーツメーカーから、デザインや素材、機能性にこだわった様々な製品が販売されています。

分割できる枚数、マットのウレタンの厚みやレザーの色、フレームの高さなどをじっくり比較検討し、自分の理想の車中泊スタイルを実現する、まさに「相棒」と呼べる一台を見つけましょう。

本格的なDIY改造で理想の空間に

本格的なDIY改造で理想の空間に

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車中泊の経験値が上がるにつれて、市販品を組み合わせるだけでは物足りなくなり、「自分だけの城を、自分の手で創造したい」という強い思いが芽生えることがあります。

そんなクリエイティブな挑戦の舞台として、エブリイワゴンはそのシンプルな箱型構造とカスタムのしやすさから、最高のキャンバスとなります。

エブリイワゴンがDIY派に人気の理由の一つが、荷室の側面に標準装備されている「ユーティリティナット」の存在です。これは通常、荷物固定用のフックを取り付けるための、車体に直接埋め込まれたM6サイズのネジ穴です。

このナットを活用することで、内張りにドリルで穴を開けるといった不可逆的な加工を一切することなく、自作の棚やテーブル、収納ラックをプロが仕上げたように頑丈に、そして美しく固定できます。

これにより、車両の価値を損なうことなく、思う存分カスタマイズを楽しむことが可能になるのです。

【夢が広がる】本格DIYアイデアのヒント

アイデア名内容・ポイント
収納一体型ベッドフレーム製作ホームセンターで手に入るSPF材や合板を使い、ベッドと大容量の引き出し収納を兼ね備えたオリジナル家具を製作。まさに軽キャンピングカーの基本形です。
天井収納システムの構築ユーティリティナットを基点に、軽量なアルミパイプやネットを渡し、天井のデッドスペースを衣類やブランケットの収納場所として有効活用します。
多機能サイドパネルの設置サイドウィンドウを有孔ボードや木製パネルで覆い、小物や調理器具を引っ掛けて収納できる「見せる収納」を構築。折りたたみ式のミニテーブルを組み込む上級者もいます。
バックドアキッチンの製作バックドアの内張りを改造し、開けた時にミニテーブルやスパイスラックが出現する、コンパクトなキッチンシステムを作り上げます。

廃材や100円ショップのアイテムを巧みに組み合わせれば、驚くほど低コストで、誰にも真似できない唯一無二の移動基地を作り上げることも夢ではありません。

また、「イレクターパイプで車中泊ベッドを自作!設計から完成までの完全ガイド」では、ベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

ただし、本格的なDIYを行う上で絶対に忘れてはならないのが安全性と法律の遵守です。走行中に家具が崩落したり、引き出しが飛び出したりすることがないよう、固定は確実に行い、頑丈な設計を心がけてください。

また、乗車定員の変更や大幅な構造変更は、道路運送車両の保安基準に抵触し、「構造等変更検査」が必要になる場合があります。DIYを楽しむ際は、法律の範囲内で、安全を最優先に進めることが大前提となります。(参考:国土交通省

4人就寝時のスペース確保と工夫

4人就寝時のスペース確保と工夫

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エブリイワゴンのカタログスペック上の乗車定員は4人。そのため、「週末に家族4人で車中泊旅行へ」と考えるのはごく自然な発想です。しかし、ここで大きな壁にぶつかります。

通常のフルフラット状態で大人2名+子供2名、あるいは大人4人が、全員快適に体を伸ばして就寝するのは物理的に不可能です。フロアの面積だけでは、どうしてもスペースが不足してしまいます。

この「軽自動車で4人就寝」という難題を解決するための答えが、スズキの純正アクセサリーとして用意されている2段ベッドセットです。

この画期的なキットは、頑丈なフレームを車内に組み立てることで空間を立体的に活用。文字通りベッドを上下2段に設置し、上段に2人、下段に2人の合計4人が、それぞれ干渉することなく足を伸ばして眠れるプライベートな就寝スペースを確保します。

ポイント

この2段ベッドは、軽自動車の空間利用の常識を覆す、まさに「コロンブスの卵」的な製品です。

ただし、導入にはいくつかの覚悟が必要です。まず、価格が20万円程度と非常に高価であること。

そして最も重要な点として、安全上の理由から2段ベッドセットを設置した状態での走行はできません。あくまでオートキャンプ場などの目的地に到着してから組み立て、出発前に解体・収納する必要があります。

もし純正キットを使わずに4人での就寝に挑戦するのであれば、それは「寝る」というより「仮眠する」レベルの覚悟が必要になります。

例えば、「大人は運転席・助手席を最大限リクライニングさせて休み、子供2人が後部のフラットスペースで肩を寄せ合って寝る」といった方法が考えられますが、全員が熟睡することは難しく、長旅では疲労が蓄積してしまいます。

家族全員での快適な車中泊を本気で目指すのであれば、2段ベッドの導入を検討するか、あるいは車中泊は2〜3人までとし、4人以上の場合は車外にテントを併用して設営する「カーサイドタープ泊」などのスタイルに切り替えるのが、最も現実的で賢明な選択と言えるでしょう。

ヘッドレストの傾斜をなくす工夫

エブリイワゴンをフルフラットにした際、多くの初心者、そして意外にも経験者ですら見落としがちなのが、前部座席のヘッドレストに起因する、わずかだが致命的な傾斜です。

ヘッドレストを装着したまま背もたれを倒すと、そのクッションの厚みの分だけ、後部座席側との接続部分がこんもりと盛り上がってしまい、完璧な水平にはなりません。

「たかが数センチの傾斜」と侮ってはいけません。人間は睡眠中、わずかな傾斜であっても、体が無意識に低い方へずり落ちるのを防ごうとし、全身の筋肉に不要な緊張を強いてしまいます。

特に、本来リラックスすべき首や肩周りが緊張することで、寝付きが悪くなるだけでなく、翌朝の肩こりや頭痛、体の歪みの原因にもなりかねません。せっかくの楽しい旅が、質の悪い睡眠のせいで台無しになってしまうのです。

しかし、この深刻な問題を引き起こす傾斜の解決策は、驚くほど簡単で、1分もかかりません。

【効果絶大】ヘッドレスト傾斜の簡単解消法

最も確実かつシンプルな方法は「ヘッドレストを完全に取り外す」ことです。工具は一切不要で、誰でも簡単に行えます。

手順は、ヘッドレストの支柱の根元にあるロックボタンを押しながら、そのまま上に引き抜くだけです。外したヘッドレストは、運転席と助手席の間の床やラゲッジの隅など、就寝の邪魔にならず、かつ紛失しない場所に保管しましょう。

この一手間で、完全にフラットな状態を作り出すことができます。

この対策を行うだけで、前後のシートがまるで一枚の板のように一直線に繋がり、理想的な寝床の土台が完成します。車中泊の準備をする際は、この「ヘッドレスト操作」を、歯磨きや着替えと同じレベルの必須ルーティンとして、ぜひ習慣にしてください。

この小さな一手間が、翌朝の爽快な目覚めと、旅全体の充実度を大きく左右します。

エブリイワゴンでの車中泊における段差解消のコツまとめ

この記事では、エブリイワゴンでの車中泊を心から楽しむための、様々な段差解消法を、基本的なものから応用的なものまで、詳細にご紹介しました。最後に、その重要な要点を改めてリスト形式でまとめます。

  • まずはメーカーが推奨する正しい手順でシートをフルフラットにすることが全ての基本
  • フルフラット状態でもシートベルトの金具やシート間の隙間など細かな凹凸は必ず残る
  • 快眠のためには前席ヘッドレストを忘れずに取り外すか、前後逆向きに装着する
  • 最も手軽でコストパフォーマンスが高い段差解消法はホームセンターのすのこの活用
  • すのこは通気性を確保しマット下の湿気やカビを防ぐという重要な副次効果もある
  • ニトリの三つ折りマットレスはサイズや厚みのバリエーションが豊富で選びやすい
  • マットレスを購入する前には必ず車内の荷室幅、特に最も狭いタイヤハウス間を計測する
  • 快適な寝心地を本気で追求するなら最低でも厚さ8cm以上のマットを選ぶのが吉
  • ジョイントマットは安価で加工がしやすくDIYが苦手な初心者でも安心して挑戦できる
  • カッターで切ったマットを段差に合わせてパズルのように重ねるだけで傾斜を完璧に調整できる
  • 究極の寝心地と圧倒的な収納力を両立したいなら市販の専用ベッドキットが最適解
  • ベッドキットは高価だがそれに見合う快適性と、車内を整理整頓できるという大きな利便性が手に入る
  • 荷室のユーティリティナットを活用すれば車体を一切傷つけずに本格的なDIYも可能になる
  • 家族4人での広々とした就寝は純正の2段ベッドキットを導入すれば実現できる
  • 完璧な正解はないので自分に合った方法を組み合わせ最高の移動式寝室を作り上げることが大切

-車中泊の工夫