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街乗りからアウトドアまで幅広く活躍する人気のSUV、カローラクロス。その汎用性の高さから「カローラクロスで車中泊を楽しみたい」と計画している方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際に試そうとすると、後部座席を倒したときに現れる予想以上の段差に戸惑うかもしれません。カローラクロスでの快適な車中泊を成功させる鍵は、まさにその段差解消にあります。
この記事では、座席のフルフラットのやり方から、費用を抑えつつ楽しめる自作のアイデアまで、具体的な方法を徹底的に深掘りして解説します。
さらに、大人2人で快適に過ごすためのスペース確保のコツや、意外と見落としがちな前席との隙間の埋め方、そして睡眠の質を格段に向上させるマットの選び方まで、あらゆる疑問にお答えします。
あると便利な各種グッズやプライバシーを守る目隠しアイテム、市販のベッドキットについても網羅的にご紹介。あなたのカローラクロスを、最高の移動式プライベート空間に変えるためのヒントが満載です。
記事のポイント
- カローラクロスの段差の具体的な寸法と身体への影響
- 純正オプションや自作、市販品での段差解消方法
- 睡眠の質を左右するマットやベッドキットの選び方
- プライバシー確保や利便性を高める必須級のおすすめグッズ
カローラクロスの車中泊で段差解消が必須な理由

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- 後席を倒した際の段差の大きさ
- フルフラットのやり方
- 前席との隙間を埋める工夫
- 2人で寝る場合のスペースと快適性
後席を倒した際の段差の大きさ

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カローラクロスで車中泊を行う上で、避けては通れない最初の課題が、後部座席を格納した際に生じる想像以上に大きな段差です。
結論からお伝えすると、この段差は実測で約12cmから14cmにも達します。
これは荷室のフロア面の高さと、前に倒したリアシート背面の高さが構造上異なるために発生するものです。この高さは、一般的なスマートフォンの長辺に近いほどの深さであり、決して無視できるものではありません。
実際に横になってみると、この段差がちょうど身体の中心である腰や背中のあたりにくることが多く、極めて不快な寝心地となります。クッションや畳んだ毛布で一時的に埋めることはできても、寝返りを打つたびに体が沈み込み、安定した睡眠姿勢を保つことは困難です。
無理な姿勢で一晩を過ごすと、翌朝に腰痛や体の痛みを引き起こす原因にもなりかねません。
睡眠の質の低下は翌日の活動に直結します
わずか十数センチの段差と軽視してはいけません。平坦な場所での睡眠に慣れている私たちの体にとって、この不自然な凹凸は睡眠の質を著しく低下させます。
質の低い睡眠は、翌日の運転の集中力低下や、旅先での活動を楽しむ体力の減退に直結します。安全で楽しい車中泊を実現するためには、この段差をいかにして違和感なくフラットにするかが、すべての基本となるのです。
このように、カローラクロスの車内を「移動できるリビング」から「快適なベッドルーム」へと変えるためには、この段差解消が何よりも優先すべき必須作業と言えるのです。
フルフラットのやり方

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カローラクロスの大きな段差を、最も手軽かつ確実に解消し、美しいフルフラット空間を創出する方法は、トヨタの純正アクセサリー「ラゲージアクティブボックス」を活用することです。
これはカローラクロス専用に設計されたディーラーオプション品で、荷室に設置するだけで、あの気になる段差がまるでなかったかのように完璧に解消されます。
設置は基本的に置くだけで完了するため、DIYが苦手な方や、時間をかけずに高品質な寝床を確保したい方に最適なソリューションです。その完成度の高さは、まさに「純正ならでは」と言えるでしょう。
特長 | 詳細 |
---|---|
完璧なフィット感 | 車種専用設計のため、設置するだけで段差が解消され、車内の凹凸に隙間なくフィットします。ガタつきもなく安定感は抜群です。 |
新たな収納スペースの創出 | ボードの下に新たな収納スペースが生まれます。洗車道具や小物など、普段あまり使わないものを収納しておくことで、荷室全体を有効活用できます。 |
便利なリバーシブル仕様 | 表面は車内の質感にマッチするカーペット地、裏面は水や汚れに強い撥水性の樹脂製です。キャンプで濡れたテントやクーラーボックス、ペット用品などを積む際に裏返して使えば、車内を汚す心配がありません。 |
価格は取付キットと合わせて28,050円(税込)となっており(2025年10月時点の公式サイト情報)、お近くのトヨタ販売店で注文・取り付けが可能です。すでにカローラクロスを所有している方でも後から装着できるのが嬉しいポイントです。
初期投資はかかりますが、その利便性、耐久性、そして何より「手間なく快適な空間が手に入る」という価値を考えれば、車中泊を頻繁に楽しみたい方にとっては十分に元が取れる、賢い投資と言えるでしょう。(出典:トヨタ自動車公式サイト カローラクロス アクセサリー)
前席との隙間を埋める工夫

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後部座席の段差を解消して満足してはいけません。実はもう一つ、快適な就寝スペースを確保するために解決すべき「空間」の問題が残っています。それは、倒したリアシートの背面と、前席(運転席・助手席)の背もたれの間に生まれる大きな隙間です。
就寝スペースの長さを最大限に確保するため、運転席と助手席を一番前にスライドさせると、この隙間は約40cmから46cmほどにも達します。
これは大人の肩幅に匹敵するほどの空間であり、何も対策をしないと、身長が高い方はもちろん、小柄な方でも寝返りを打った際に頭や肩がこの隙間に落ち込んでしまい、非常に不安定な姿勢になってしまいます。
このデッドスペースを有効活用し、安定した寝床を延長するためには、隙間を何かで埋める工夫が不可欠です。身の回りのキャンプギアなどを活用するのが賢い方法です。
アイテム | メリット | デメリット・注意点 |
---|---|---|
クーラーボックスや 収納ボックス | 強度が高く安定した土台になる。保冷や収納という本来の役割も兼ねるため荷物を効率化できる。 | 高さの微調整が難しい。ちょうど良いサイズのものを探す必要がある。 |
衣類や寝袋を 入れたバッグ | 柔らかく、隙間の形状に合わせてフィットしやすい。特別な道具が不要。 | 体重をかけると沈み込むため安定性に欠ける。あくまで補助的な使い方に限られる。 |
市販の隙間埋め 専用クッション | 車内の隙間にフィットするよう設計されている。空気で膨らませるタイプは使わないときにコンパクトになる。 | 専用品のため別途購入費用がかかる。エアタイプは穴あきのリスクがある。 |
折りたたみ式の コンテナ | 必要な時に組み立てて使え、不要な時は畳んでおけるため省スペース。 | 製品によっては強度が不足する場合がある。耐荷重の確認が必要。 |
これらのアイテムで隙間をしっかりと埋め、マットを敷くことで、荷室の端から前席の背面までを一体の広大な就寝スペースとして活用できます。
これにより、全長約180cm以上の完全なフラット空間を確保することが可能になり、これまで窮屈な思いをしていた高身長の方でも、ようやく足を伸ばしてリラックスして休むことができるようになります。
隙間を埋めるアイテムの「高さ」と「安定性」が重要
隙間を埋める際は、倒したリアシートの座面とできるだけ同じ高さになるアイテムを選びましょう。高さが合わないと新たな段差が生まれてしまいます。
また、就寝中に体重がかかっても崩れたりずれたりしない、十分な安定感があることを必ず確認してください。
2人で寝る場合のスペースと快適性
ご夫婦やカップル、友人と、カローラクロスで大人2人での車中泊は十分に可能ですが、そのためには横幅のスペースを正しく理解し、工夫することが重要になります。
後席を倒した際の荷室スペースは、ドア付近の最も広い部分で約137cmの幅がありますが、後輪の出っ張りであるタイヤハウスの部分では、最も狭いところで約95cmまで一気に狭まります。
この「約95cm」という幅が、2人就寝時の快適性を左右する重要な数値です。これは、一般的な家庭用シングルベッドの幅(約97cm)よりも若干狭いスペースであり、ここに大人2人が並んで寝ることをイメージする必要があります。
この限られたスペースで2人が快適に就寝するためには、以下のような対策が考えられます。
対策・工夫 | 内容・ポイント |
---|---|
ダブルサイズのマット(1枚)を敷く | 市販のダブルサイズマット(幅120cm前後)なら、少し押し込む形で設置可能です。2人の間に仕切りがないため一体感を持って眠れます。 |
互い違いに寝る(互い違い寝) | それぞれの頭と足の位置を逆にして寝る方法です。お互いの肩周りのスペースに余裕が生まれ、窮屈さを効果的に軽減できます。 |
体格差を活かす | 室内幅には広い部分と狭い部分があります。体格の大きい方が広い側に、小さい方が狭い側に寝るなど、スペースを効率的に使う工夫も有効です。 |
もちろん、寝返りをあまり打たない、お互いに少し密着することを許容できるなど、いくつかの条件はありますが、これらをクリアできれば2人での車中泊も楽しい思い出になるでしょう。
ただし、広々と快適な睡眠を最優先するならば、基本的には1人での利用が最もリラックスできると言えます。
カローラクロスで車中泊|段差解消の工夫や快適化のコツ

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- 段差解消アイテムを自作するアイデア
- 市販ベッドキットで手軽に解決
- 寝心地を左右する車中泊マットの選び方
- あると便利なその他のおすすめグッズ
- プライバシーを守る目隠しは必須
- カローラクロスの車中泊は段差解消が鍵
段差解消アイテムを自作するアイデア

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「純正オプションは魅力的だけど価格が…」「どうせなら自分の手で、こだわりの空間を作りたい」そんな探求心旺盛な方には、段差解消アイテムを自作(DIY)するという選択肢がおすすめです。
コストを大幅に抑えられるだけでなく、自分のスタイルや積載する荷物に合わせた、世界に一つだけの車中泊空間を作り上げる楽しさも味わえます。
手軽に始める100円ショップ活用術
最も手軽に始められるのが、100円ショップで手に入るアイテムを活用する方法です。例えば、夏場にレジャー用品として売られている発泡スローチル製のビーチボードや、ジョイント式のEVAスポンジマットを必要枚数重ねることで、段差を埋めるクッションとして活用できます。
ただし、これらの素材は柔らかいため、体重がかかる部分の強度や耐久性には限界があることを理解しておく必要があります。
本格派向け!合板(コンパネ)を使った自作ベッド
より本格的で、長期間にわたって安定して使える寝床を作りたい場合は、ホームセンターで材料を調達するのがベストです。特に合板(コンパネ)を使った方法は、多くの車中泊愛好家が実践しています。
ステップ | 作業内容・ポイント |
---|---|
Step 1:精密な採寸 | まずはメジャーを用意し、荷室の段差の正確な高さ、そして必要となるベッドの縦横の面積を、数ミリ単位で精密に測ります。この最初の採寸が成功の9割を決めると言っても過言ではありません。 |
Step 2:材料の調達とカット | 採寸したサイズに合わせて、厚さ12mm程度の合板や、脚となる角材を選びます。多くのホームセンターには有料のカットサービスがあるので、これを活用すれば正確かつ安全に材料を切り出せます。 |
Step 3:組み立て | 角材で「ロの字」型の脚をいくつか作り、その上に天板となる合板をビスで固定します。ベッドを2分割や3分割の構造にしておくと、使わないときの収納や、片側だけ座席として使うといったアレンジも可能になり、利便性が大きく向上します。 |
自作の最大のメリットは、数千円という低コストで実現できる点と、自分のアイデアを形にできる創造性の高さにあります。
一方で、採寸から組み立てまでには相応の手間と時間がかかり、ある程度の工具も必要になるため、DIYに挑戦する意欲のある方向けの方法と言えるでしょう。
「イレクターパイプで車中泊ベッドを自作!設計から完成までの完全ガイド」では、ベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
市販ベッドキットで手軽に解決

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「DIYは時間も技術もなくて難しい…でも、純正オプション以外の選択肢も検討したい」という方に最適なのが、カローラクロス専用に設計された市販のベッドキットです。
これらの製品は、車中泊用品を専門に扱うサードパーティメーカーによって開発されており、まさに「置くだけ」「組み立てるだけ」で、車内が瞬時に完全にフラットなベッドルームに変わるよう設計されています。
多くは軽量な金属フレームと、クッション性に優れたマットが組み合わさった構造で、工具を一切使わずに数分で組み立て・設置できる手軽さが最大の魅力です。車体への加工も不要なため、いつでも純正の状態に戻せます。
チェックポイント | 確認する内容 |
---|---|
マットの素材と厚み | 寝心地に直結する重要な部分です。ウレタンの厚みや、表皮の素材(手入れのしやすいPVCレザー、質感の良いファブリックなど)を確認しましょう。 |
フレームの材質と耐荷重 | 軽量なアルミ製か、より頑丈なスチール製か。ご自身の体重や使用人数、積載する荷物も考慮し、十分な耐荷重性能を持っているかを確認することが重要です。 |
分割数と収納性 | 2分割、4分割など、分割数が多いほど一部だけを使ったり、コンパクトに収納できます。使わないときに荷室のどこに収納するかをイメージしながら選びましょう。 |
高さ調整機能 | ベッド下の収納スペースの高さを変えられる機能があると、背の高い荷物を積む際などに便利で、積載する荷物の自由度が格段に上がります。 |
価格帯は5万円〜10万円前後が中心で、純正オプションや自作に比べて高価になる傾向があります。しかし、その分、手間を一切かけずに、見た目も美しく、安定性と寝心地を両立した完成度の高い就寝スペースを確保できるのが最大のメリットです。
自作の手間、純正オプションの機能性、そして市販ベッドキットの多様性を比較検討し、ご自身の車中泊スタイルと予算に最も合った製品を選んでみてください。
寝心地を左右する車中泊マットの選び方

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段差を解消して頑丈な土台を作ったら、その上に敷く車中泊マットの選定に移ります。マットレスがベッドの寝心地を決めるように、車中泊マット一枚で睡眠の質は劇的に変わります。ここは妥協せずに選びたい、非常に重要なアイテムです。
最も重要なチェックポイントは、マットの厚さです。薄いマットでは、自作ベッドのわずかな凹凸や、車体フレームの硬さが体に伝わり、底付き感が出てしまいます。
快適な睡眠と翌朝の爽快な目覚めのためには、厚さが最低でも8cm、できれば10cm以上あるマットを選ぶことを推奨します。厚みがあればあるほど、マット内のウレタンや空気が体をしっかりと支え、まるで自宅のベッドのような快適な寝心地を実現できます。
車中泊で主流となっているマットの種類と特徴を、以下の表にまとめました。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
インフレーターマット | ・バルブを開けると自動で膨らむ ・クッション性が高い ・寝心地と収納性のバランスが良い | ・完全に膨らむまで時間がかかる ・撤収時に空気を抜くのに力が必要 |
エアマット | ・非常にコンパクトに収納できる ・好みの硬さに調整しやすい | ・穴が開くと使用不能になる ・寝返り時の音が気になることがある |
高反発ウレタンマット | ・寝心地が家庭用ベッドに最も近い ・断熱性が高い | ・収納サイズが大きくかさばる ・価格が高め |
断熱性を示す「R値」もチェック
特に秋冬の寒い時期に車中泊をするなら、マットの断熱性能を示す「R値」も確認しましょう。
この数値が高いほど地面からの冷気を遮断する能力が高く、底冷えを防いでくれます。秋冬の使用を考えるなら、R値3.0以上が一つの目安となります。
カローラクロスの室内幅(約95cm)を考慮しつつ、ご自身の求める寝心地、車中泊をする季節、そして収納のしやすさから、最適な一枚を見つけてください。
あると便利なその他のおすすめグッズ

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完璧なフラット空間と最高のマットが準備できたら、最後の仕上げとして、車中泊の「快適性」と「安全性」をさらに高めるための便利グッズを揃えましょう。ここでは「これがあるとないとでは大違い」という、特におすすめのアイテムを厳選してご紹介します。
アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)
これはカローラクロスのハイブリッド車にのみ設定できる、非常に価値の高いメーカーオプションです。
車内に家庭用と同じ規格のコンセントが設置され、合計1500Wまでの電化製品が使用可能になります。これにより、車中泊の快適性は飛躍的に向上します。
- スマートフォンの急速充電やノートパソコンの使用
- 電気ケトルでお湯を沸かし、温かいコーヒーやカップ麺を楽しむ
- 冬場には電気毛布や小型のセラミックヒーターで暖を取る
- 夏場には小型の扇風機で涼む
- ドライヤーやヘアアイロンで身だしなみを整える
災害時には「走る蓄電池」として役立つ
この機能は、停電などの災害時に車を発電機として活用できる「非常時給電システム」も兼ねています。
ガソリン満タン時で、一般家庭の約4~4.5日分の電力を供給できるとされています。車中泊だけでなく、家族の安全を守る防災設備としても非常に心強い存在です。
なお、JAF(日本自動車連盟)などが注意喚起している通り、就寝時にガソリン車のエンジンをかけっぱなしにするのは、一酸化炭素中毒や騒音、環境問題の観点から絶対に避けるべきです(参照:JAF公式サイト)。
ハイブリッド車の給電システムは、エンジンを必要最低限しか作動させずに電気を供給できるため、より安全に車内で電気を活用できます。
LEDランタン
夜間の車内照明は必須ですが、バッテリー上がりを防ぐため、エンジン停止時に車の室内灯を長時間使うのは避けたいところです。そこで活躍するのがポータブルタイプのLEDランタンです。
特に、車のUSBポートやモバイルバッテリーで充電できる充電式が経済的で便利。明るさを調節できる機能や、目に優しい暖色系の光を出せるモデルを選ぶと、リラックスした夜の時間を過ごせます。
吊り下げフックやマグネットが付いていると、車内のアシストグリップなどに固定できてさらに便利です。
寝袋(シュラフ)
断熱性の高い車とはいえ、外気の影響は避けられません。特に標高の高い場所や秋冬の夜は、都市部では想像もできないほど冷え込みます。エンジンを切って安全に就寝するための防寒対策として、寝袋は季節を問わず必須のアイテムです。
使用する季節の最低気温に対応できる「快適使用温度」を目安に選びましょう。
- 夏用(サマーモデル):快適使用温度10℃以上。軽量でコンパクト。
- 3シーズン用:快適使用温度0℃~5℃前後。春・夏・秋と最も使える期間が長い。
- 冬用(ウィンターモデル):快適使用温度0℃以下。保温性が高い分、収納サイズは大きくなる。
迷った場合は、まず3シーズン用を一つ用意し、寒い時期は毛布やインナーシュラフを併用するのがおすすめです。
ポータブル電源
前述のアクセサリーコンセントがないガソリン車の方や、より多くの電力を長時間使いたい方にとっての「切り札」となるのがポータブル電源です。
事前に家庭のコンセントで大容量のバッテリーに充電しておけば、エンジンを一切かけずに、数時間から一泊二日にわたって様々な電化製品を動かすことができます。
容量(Wh:ワットアワー)が大きいほど高価になりますが、使用できる時間も長くなります。「スマートフォンを約20回フル充電」「電気毛布(弱)を約8時間使用」など、自分の使いたい電化製品の消費電力と使用時間から、必要な容量を見極めましょう。
「車中泊でポータブル電源はいらない?後悔しない選び方と代替案を解説」では、失敗しないポータブル電源の選び方について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
プライバシーを守る目隠しは必須

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快適で、そして何よりも安全な車中泊を実現するために、窓の目隠しは絶対に欠かせない最重要アイテムです。すべての窓を完全に覆うことで、車内は外界から切り離された、安心できるプライベート空間へと変わります。
目隠しには、主に以下の3つの極めて重要な役割があります。
役割 | 具体的な効果 |
---|---|
完璧なプライバシーの確保 | 駐車場やサービスエリアなど、人の往来がある場所でも外からの視線を完全に遮断。着替えや食事、就寝時に、誰かに見られているかもしれないという不安から解放され、心からリラックスできます。 |
確実な防犯対策 | 車内に人がいるのか、どのような荷物が積まれているのかを外から一切分からなくすることで、車上荒らしなどの犯罪ターゲットになるリスクを大幅に低減します。特に女性のソロ車中泊などでは必須の対策です。 |
優れた断熱・遮光効果 | 夏は日差しを遮り車内温度の上昇を抑制し、冬は車内の暖気を逃しにくくして底冷えを防ぎます。また、街灯などの光を遮断し、真っ暗な環境で質の高い睡眠をサポートします。 |
目隠しの方法には、タオルや銀マットで自作する方法から、汎用のカーテン、そして最もおすすめなのが車種専用設計のサンシェードです。カローラクロス専用に設計された製品は、フロント、サイド、リアのすべての窓に隙間なく驚くほどぴったりフィットします。
吸盤で取り付けるタイプが主流で、設置も撤収も簡単です。トヨタ純正オプションのほか、多くのカー用品メーカーから高品質な市販品が販売されています。
就寝時の換気と安全対策の両立を
安全のため、就寝時は一酸化炭素中毒や結露を防ぐために、必ず窓を2cmほど開けて空気の通り道を確保することが重要です。しかし、窓を開けると防犯面が心配になり、夏場は虫の侵入も気になります。
そこで、窓枠にはめ込むタイプの網戸(ウィンドウバグネット)などを併用することで、換気、防犯、防虫のすべてを両立でき、安心して朝まで眠ることができます。
カローラクロスの車中泊は段差解消が鍵
記事のポイントをまとめます。
- カローラクロスは事前の準備と工夫次第で最高の車中泊空間になる
- 後席を倒すと約12cmから14cmの無視できない段差が生じる
- この段差は腰に当たりやすく睡眠の質を大きく損なう原因となる
- 最も簡単で確実な段差解消は純正ラゲージアクティブボックスの活用
- コストを抑えたいならDIYや市販の段差解消アイテムも有効な選択肢
- 前席との間にできる約40cmの隙間も荷物などで確実に埋める
- これらの対策で全長180cm以上の広大なフラットスペースを確保できる
- 大人2人で寝る際はタイヤハウス上の幅(約95cm)に注意が必要
- 快適な寝心地のためマットは妥協せず厚さ8cm以上を選ぶのがおすすめ
- 睡眠の質はマットの厚みと性能で劇的に変わる
- プライバシー確保と防犯、断熱のために目隠しは必須アイテム
- 車種専用設計のサンシェードは隙間なくフィットし効果が高い
- 電源確保にはアクセサリーコンセントやポータブル電源が極めて便利
- 寝袋やランタンなど季節や目的に合わせた装備も万全に準備する
- 正しい知識と準備で安全で思い出に残る快適な車中泊を実現できる