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「ジムニーで車中泊をしてみたいけど、2人でも快適に過ごせるの?」そんな疑問をお持ちではありませんか。コンパクトで力強い走りが魅力のジムニーですが、2人での車中泊となるとスペースの確保や準備に工夫が必要です。
特に、旧モデルのJB23や現行のジムニーシエラなど、モデルごとの特徴を理解することも大切になります。この記事では、ジムニーでの車中泊を2人で楽しむための具体的な方法を徹底解説します。
車内の段差解消を行い、フルフラットな180cmほどの就寝スペースを作る方法から、ニトリやモンベルで手に入るおすすめのマットの選び方、かさばる荷物をすっきり収納できるアイリスオーヤマの便利アイテムまで、実践的な情報を網羅しました。
さらに、女子でも安心して楽しめる工夫や、より快適性を高めるカスタムについても触れていきます。ぜひ、この記事を参考にして、最高の車中泊体験を計画してください。
記事のポイント
- ジムニーで2人が寝るためのスペース確保術
- 快適な車中泊を実現するおすすめ便利グッズ
- JB23などモデル別の車中泊のポイント
- 2人での車中泊を成功させるための注意点
ジムニーで車中泊!2人で楽しむための準備

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- 段差解消してフルフラットな空間を作る
- 180cmの就寝スペースを確保する方法
- マットはニトリやモンベルから選ぼう
- 荷物の整理はアイリスオーヤマの製品が便利
- その他に揃えておきたい便利グッズ
段差解消してフルフラットな空間を作る

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ジムニーで快適な車中泊を実現するための、最も重要で最初のステップが「車内を完全なフルフラット化」することです。単にシートを倒しただけでは、シート間の大きな段差や気になる隙間、微妙な傾斜が残ってしまい、これが腰痛や寝苦しさの原因となります。この段差をいかにして解消するかが、車中泊の睡眠の質、ひいては満足度全体を大きく左右すると言っても過言ではありません。
主な段差解消の方法は、予算や求めるクオリティに応じて、大きく分けて2つのアプローチがあります。
1. 市販のベッドキットを利用する
ジムニーの各モデル(JB64/JB74, JB23など)専用に設計されたベッドキットが、多くのカスタムパーツメーカーから販売されています。これらの製品の最大のメリットは、圧倒的な手軽さと完成度の高さです。
車種専用設計なので、パズルのようにぴったりと収まり、グラつきのない安定した寝心地をすぐに得られます。素材やデザインも多岐にわたり、高級感のあるレザー調のものや、軽量なアルミフレームのもの、収納性を重視した分割式のものなど、自分のスタイルに合わせて選べます。
デメリットは、やはりコスト面です。製品の仕様によりますが、価格帯は5万円から15万円程度が相場となり、DIYに比べて初期投資が大きくなります。
しかし、「設営・撤収の手間を徹底的に省きたい」「車中泊の頻度が高く、常に快適な環境が欲しい」という方にとっては、その価格に見合う価値と満足感を得られる、非常に賢い選択肢と言えるでしょう。
2. DIYで自作する
「まずは一度、ジムニーで車中泊を体験してみたい」「できるだけコストを抑えたい」という方には、DIYでのベッド自作がおすすめです。ホームセンターで手に入る木材(コンパネ)や、軽くて丈夫なイレクターパイプなどを組み合わせて、自分だけのオリジナルベッドフレームを作る方法が一般的です。
最大のメリットは、その圧倒的な低コスト。工夫次第では1万円以下の予算で、十分実用的なフルフラット空間を実現することも可能です。
また、自分の使い方に合わせて収納スペースを組み込んだり、テーブル機能を付け加えたりと、世界に一つだけの空間を創造する楽しみもあります。インターネットで検索すれば、多くのジムニーオーナーが詳細な図面や製作過程を公開しているため、それらを参考にしながらチャレンジすることで、車への愛着も一層深まるはずです。
DIYに挑戦する場合、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは「平らに寝られる」ことを目標にシンプルな構造で作り、実際に使ってみてから「ここにもう少し収納が欲しい」といった改良を加えていくのが成功の秘訣です。その過程もまた、ジムニーライフの醍醐味ですよ。
「イレクターパイプで車中泊ベッドを自作!設計から完成までの完全ガイド」では車中泊用のベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
180cmの就寝スペースを確保する方法

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ジムニーの限られた室内で、就寝可能なスペースを生み出すには、基本となるシートアレンジをマスターする必要があります。このアレンジによって、大人2人でも横になれる空間を作り出すことができます。
具体的なシートアレンジ手順
手順は以下の通りです。この方法により、最大で奥行き約180cmの就寝スペースを確保できます。
- フロントシートのヘッドレストを外す:まず、運転席と助手席のヘッドレストを取り外します。これにより、背もたれを完全に倒せるようになります。
- フロントシートを最前端へスライド:次に、フロントシート全体を一番前までスライドさせます。
- フロントシートの背もたれを倒す:シートを前にスライドさせた状態で、背もたれ(リクライニング)を一番後ろまで完全に倒します。
- リアシートを倒す:最後に、リアシートの背もタレを前方に倒します。
これで、ラゲッジスペースから倒したフロントシートの背もたれまでが繋がり、一つの長い空間が生まれます。180cmの長さがあれば、多くの成人男性でも足を伸ばして横になることが可能です。
ただし、これはあくまで最大長であり、シートの形状による凹凸はどうしても残ります。特に、倒したフロントシートとリアシートの間には隙間ができやすいため、この隙間をタオルやクッションで埋める一手間が、快適性をさらに向上させます。
「車中泊の際の段差を解消!100均アイテムで快適な寝床を作る方法」でも、段差解消の工夫について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
マットはニトリやモンベルから選ぼう

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フルフラットな土台が完成したら、その上に敷くマットの選定に移ります。マットは寝心地に直結する、車中泊の快適性を決定づける最重要アイテムです。ここでは、コストパフォーマンスと機能性の両面から、人気の高い「ニトリ」と「モンベル」の製品を比較しながら、選び方のポイントを詳しく解説します。
ニトリの折りたたみマットレス:コスパと手軽さの王様
「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズで知られるニトリは、車中泊ユーザーにとっても心強い味方です。車中泊専用品は販売していませんが、コンパクトに収納できる三つ折り・六つ折りタイプのマットレスが非常に豊富です。最大の魅力は、やはりその手頃な価格と、全国の店舗で実際に寝心地を試せるアクセスの良さにあります。
素材は主にウレタンフォームで、厚みも4cm程度の薄型軽量タイプから、10cmを超える極厚タイプまで様々。例えば、「高反発3つ折りマットレス」は持ち運びやすさを重視する方に、「スツールにもなるマットレス」は寝心地を最優先する方におすすめです。自分の車の収納スペースや、どれだけ快適性を求めるかに応じて最適な一枚を選べるのが嬉しいポイントです。
ニトリのマットレスを選ぶ際は、事前にジムニーの荷室の有効幅(約120cm〜130cm)と、フルフラットにした際の奥行き(約180cm)をメジャーで正確に測っておくことが重要です。一般的なシングルサイズ(幅約97cm)が基本となります。
厚さ | 寝心地の目安 | 収納性 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|
4cm前後 | 段差が大きいと底付き感を感じることも | 非常にコンパクトで軽量 | 荷物を最小限にしたい、持ち運びやすさ重視の方 |
7cm前後 | ほとんどの段差を吸収し、快適な睡眠が可能 | やや嵩張るが、快適性とのバランスは良好 | 寝心地と収納性の両方を妥協したくない方 |
10cm以上 | 家のベッドと遜色ないレベルの快適さ | かなり大きい。車内に常設するくらいの覚悟が必要 | とにかく寝心地を最優先し、睡眠の質を追求したい方 |
「車中泊の布団選びはニトリが正解!快適睡眠のためのおすすめ商品紹介」では、車中泊におすすめのニトリの寝具について紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
モンベルのアウトドア用マット:機能性と信頼性の専門ブランド
日本を代表するアウトドアブランドであるモンベルのマットは、軽量コンパクト性、優れた断熱性、そして過酷な環境下での快適性において、他社の追随を許さない高い性能を誇ります。空気で膨らませる「エアパッド」や、バルブを開くと内部のフォームが復元して自動である程度膨らむ「インフレーターマット」が主流です。
車中泊、特に冬場は地面(車のフロア)からの冷気が大敵となりますが、モンベルのマットは優れた断熱性を備えているモデルが多く、この底冷えを効果的にシャットアウトしてくれます。例えば、「U.L. コンフォートシステム キャンプパッド」シリーズは、十分な厚みと保温性を両立しており、車中泊でも最高のパフォーマンスを発揮します。
価格はニトリ製品に比べて高価になりますが、厳しい自然環境での使用を想定して開発されているため、耐久性や機能性は一級品です。「安物買いの銭失い」をしたくない方、長く使える本当に良いものを求める方、そしてキャンプや登山など他のアクティビティでもマットを活用したい方には、モンベルが最適な選択となるでしょう。
「ジムニーの車中泊に最適なマットはモンベルで決まり!特徴と選び方を徹底解説」では、ジムニーにピッタリなモンベルのマットについて解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
荷物の整理はアイリスオーヤマの製品が便利

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快適な寝床を確保しても、2人分の荷物で足の踏み場もないようではリラックスできません。効率的な収納術も、2人での車中泊を成功させる重要な要素です。そこで「救世主」として多くのジムニーオーナーから支持されているのが、アイリスオーヤマの収納ボックスです。
中でも、「RVBOX 770F」は、特にJB23ジムニーのラゲッジスペースをフルフラット化する際の「シンデレラフィットアイテム」として、あまりにも有名です。この製品がなぜこれほどまでに人気なのか。その理由は、ボックスの高さが、JB23のリアシートを倒した荷室の「段差」を埋めるのに、まるで純正品かのようにピッタリと一致するからです。
【アイリスオーヤマ RVBOX 770Fが選ばれる理由】
- ラゲッジに置くだけで、面倒な段差が魔法のように解消される
- 洗車道具、キャンプ小物、緊急用品などを整理して収納できる
- フタの裏が格子状に補強されており、頑丈な作りで上に荷物を置ける
- 近年、ジムニーの内装色にマッチする「チャコールグレー」などの新色も登場し、見た目も向上
このボックスを設置すれば、ラゲッジスペース全体がフラットな台座へと生まれ変わります。その上にマットを敷けば、より広々として安定したベッドスペースが完成します。収納と段差解消という二つの課題を一つのアイテムでスマートに解決できるため、非常に合理的です。
JB23オーナーで車中泊を考えているなら、真っ先に検討すべきマストバイアイテムと言えるでしょう。
その他に揃えておきたい便利グッズ

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ベッドスペースの準備が整ったら、次は車内での生活を豊かにするアイテムを揃えましょう。ここでは、快適性と安全性を高めるために、特に重要度の高いグッズを厳選して紹介します。
シェード・カーテン
外からの視線を遮り、プライバシーを確保するための絶対的な必須アイテムです。これがないと、夜間に外から車内が丸見えになり、安心して眠ることができません。特に女性が安心して過ごすためには不可欠です。
さらに、銀マットのような素材でできたシェードは断熱効果も非常に高く、夏は強い日差しを遮って車内温度の上昇を抑え、冬は車内の暖気が窓から逃げるのを防いでくれます。まさに一石二鳥のアイテムで、車種専用設計のものが隙間なくフィットするためおすすめです。
「車中泊で目隠しはいらない?車中泊のリスクと対策について解説」でも、車中泊用の目隠しについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
LEDランタン
夜間の車内照明として、バッテリー式のLEDランタンを必ず用意しましょう。車のルームランプを長時間点灯させると、バッテリー上がりの原因となり、最悪の場合エンジンがかからなくなります。
USBで充電できるタイプなら、走行中に車のシガーソケットから充電しておけるので非常に便利です。暖色系の光はリラックス効果があり、明るさを調節できるモデルだと、就寝前の読書から常夜灯まで幅広く対応できます。
寝袋(シュラフ)
季節を問わず、寝袋は車中泊の頼れる相棒です。平地であっても、春や秋は昼夜の寒暖差が激しく、夜から明け方にかけては想像以上に冷え込みます。寝袋には「快適使用温度」や「限界使用温度」が表示されているので、自分が車中泊をする季節や場所に合わせて選びましょう。
形状は、保温性の高い「マミー型」と、ゆったりしていて布団のように使える「封筒型」があります。2人で寝る場合は、連結可能な封筒型を選ぶと、大きな一枚の掛け布団のようにも使えて便利です。
ポータブル電源
現代の車中泊において、快適性を劇的に向上させるアイテムがポータブル電源です。スマートフォンの充電はもちろん、ノートパソコンで映画を観たり、夏場にサーキュレーター(扇風機)を回したり、冬場に電気毛布で暖を取ったりと、車内で使える家電製品の幅が格段に広がります。
容量(Wh)や出力(W)によって価格は様々ですが、一つあるだけで車中泊の「できること」が大きく変わります。また、災害時の非常用電源としても非常に役立つため、持っていて決して損はないアイテムです。
「車中泊でポータブル電源はいらない?後悔しない選び方と代替案を解説」では、失敗しないポータブル電源の選び方について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
ジムニーでの車中泊を2人で行うときの注意点

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- ジムニーとシエラの車内空間の違い
- JB23はフルフラット化しやすい?
- 快適性を上げるおすすめのカスタム
- 女子でも安心して車中泊できる工夫
- 2人だと窮屈?スペースの注意点
ジムニーとシエラの車内空間の違い

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ジムニーの購入を検討する際、軽自動車の「ジムニー」と普通車の「ジムニーシエラ」、どちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。「シエラの方がボディサイズが大きいから、車内も広くて車中泊が快適なのでは?」と考えるのが自然ですが、ここに一つ重要なポイントがあります。
結論から言うと、室内寸法(室内長・室内幅・室内高)は、ジムニーとジムニーシエラで全く同じです。シエラの全幅が広いのは、力強い印象を与える樹脂製のオーバーフェンダーが装着されているためであり、乗員が過ごすキャビン(室内空間)自体の大きさは、軽自動車規格のジムニーと完全に共通なのです。したがって、2人で横になった際の「寝るスペースの広さ」という点においては、両車に優劣はありません。
走りの余裕に違いが生まれる
ただし、走行性能には明確な差があります。シエラは1.5Lの自然吸気エンジン(K15B型)を搭載しており、660ccターボのジムニー(R06A型)に比べて排気量が大きいです。
この差は、2人乗車で車中泊の荷物を満載した、車重が重い状況で顕著に現れます。高速道路での合流や、山道の長い登り坂などでは、シエラの方がトルクに余裕があり、よりスムーズでストレスの少ない走りを提供してくれます。
車中泊の居住性だけを基準にするならジムニーもシエラも同等ですが、長距離移動の頻度や、高速道路を多用する使い方を想定している場合は、シエラの持つ走りの余裕が大きなアドバンテージになるでしょう。もちろん、税金や保険料などの維持費も異なるため、総合的なバランスで判断することが大切です。
JB23はフルフラット化しやすい?
現行モデル(JB64/JB74)の一つ前の型であるJB23は、1998年から2018年までという長きにわたって生産された名車です。中古車市場での流通量も豊富で価格もこなれており、カスタムベースとしても絶大な人気を誇ります。このJB23で車中泊を始めたい、という方も非常に多いでしょう。
では、JB23は車中泊に適しているのでしょうか。前述の通り、JB23で快適な車中泊環境を整える上で最大の課題となるのが、リアシートを倒した後のラゲッジスペースとの間に生じる、比較的大きな段差です。現行モデルも段差はありますが、JB23は構造上この段差がより顕著であり、そのままではとても快適に眠ることはできません。
【JB23における定番の段差解消法】
- アイリスオーヤマのRVBOXを置く:最も手軽で人気のある、定番中の定番と言える方法です。
- 木材やすのこでDIY:ホームセンターで材料を揃え、段差を埋めるための台や二重床を自作する方法。収納スペースを兼ねることも可能です。
- 厚手のマットで吸収:極厚のマットレスや複数のマットを重ねて敷くことで、物理的に段差の感触をなくす方法。手軽ですが、根本的な解決にはなりません。
このように、JB23は「何もしなければフルフラット化しにくい」モデルではありますが、裏を返せば多くの先人たちによって、安価で効果的な解決策がすでに確立されているということです。
これらの定番カスタムを施すことで、現行モデルと遜色ない快適な車中泊空間を作り出すことは十分に可能です。中古でJB23の購入を検討している方も、この「一手間」を前提に考えれば、何も心配することはありません。
快適性を上げるおすすめのカスタム

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基本的な準備に加えて、いくつかの便利なカスタムパーツを導入することで、ジムニーでの車中泊の快適性と利便性は劇的に向上します。ここでは、比較的簡単に導入できて効果の高い、おすすめのカスタムをいくつか紹介します。
収納系カスタム:空間を立体的に使う
ジムニーの車内は平面積が限られているため、空間を「立体的」に活用することが重要です。天井部分に取り付ける「ルーフネット(オーバーヘッドネット)」は、脱いだ上着やブランケット、タオルといった軽量でかさばる物を置くのに最適です。また、リアのサイドウィンドウ部分にはめ込む「サイドストレージパネル」や「ストレージバッグ」は、デッドスペースを小物入れに変えてくれる優れたアイテムです。
電源確保カスタム:利便性を向上
ポータブル電源も便利ですが、車載のアクセサリーソケット(シガーソケット)を増設するのも一つの手です。特に後部座席や荷室付近にUSBポートや12Vソケットを増設しておくと、ポータブル冷蔵庫を使ったり、後部座席でスマートフォンの充電をしたりする際に、ケーブルの取り回しが非常に楽になります。
換気対策カスタム:夏の夜を快適に
夏の車中泊で問題になるのが、虫の侵入と換気です。窓を閉め切ると暑く、開けると虫が入ってきます。このジレンマを解決するのが、車種専用設計の網戸(バグネット)です。これがあれば、安心して窓を開けて風を通すことができます。また、雨の日でも少し窓を開けられる「ドアバイザー」も、換気効率を上げるのに役立ちます。
「車中泊の換気対策完全ガイド!おすすめグッズとDIYについても紹介」では、車内の換気対策について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
これらのカスタムは、一度取り付けてしまえば車中泊のたびにその恩恵を受けられます。特に収納系のカスタムは、普段使いでも荷物の整理に役立つので、満足度が非常に高いですよ。
女子でも安心して車中泊できる工夫

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近年、SNSなどでもジムニーでソロ車中泊を楽しむ女性(ジムニー女子)の投稿を多く見かけるようになりました。車中泊は、テント泊と比べて設営・撤収が圧倒的に楽で、天候の変化に強く、野生動物などから物理的に身を守れるという大きなメリットがあります。
女性が一人でも安心して楽しむためには、特に以下のポイントを徹底することが重要です。
1. プライバシーの完全な確保
これは男女問わず重要ですが、女性にとっては心の平穏を保つための最優先事項です。窓全面をしっかりと覆える、遮光性の高いカーテンやシェードを必ず用意してください。外から中の様子が一切見えないようにするだけで、安心感は全く違います。これは防犯だけでなく、駐車場などで隣の車のライトが眩しいといった問題も解決してくれます。
2. 安全な場所選びと確実な戸締り
夜間は必ず全てのドアをロックする習慣をつけましょう。車という鉄の箱の中にいれば、基本的に安全は確保されます。
そして、最も重要なのが車中泊をする「場所」です。近年、車中泊のトラブルが増加しており、場所選びは慎重に行う必要があります。有料の「RVパーク」や「オートキャンプ場」など、公式に車中泊が許可されている場所を選ぶのが大前提です。
RVパークやオートキャンプ場を探すなら、日本RV協会が運営する「くるま旅」というサイトが便利です。
道の駅やサービスエリアでの車中泊は、あくまで「仮眠」や「休憩」を目的としたものであり、連泊やキャンプのような行為(車外でテーブルや椅子を広げるなど)はマナー違反となるため、絶対にやめましょう。
【緊急時の備えも忘れずに】
ジムニーはコンパクトで小回りが利くため、いざという時に狭い道でもUターンや退避がしやすいという隠れたメリットがあります。就寝時は、すぐに車を動かせるように運転席周りを整理しておく、車のキーはすぐに手に取れる場所に置く、といった意識を持つことも、さらなる安心に繋がります。
2人だと窮屈?スペースの注意点

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さて、ここまでジムニーで2人が車中泊をするための様々な方法や工夫を紹介してきましたが、最後に最も気になるであろう、現実的なスペースの問題について正直にお伝えします。
結論から言うと、「決して広くはないが、強い絆と工夫があれば最高に楽しい」というのが実情です。セミダブルベッド(幅約120cm)程度のスペースに大人2人が横になるイメージに近く、寝返りを自由に打つほどの余裕はありません。お互いの体格や寝相によっては、窮屈に感じる場面は必ずあるでしょう。
【2人での車中泊で覚悟すべき3つのこと】
- 荷物の置き場との戦い:2人分の着替え、寝袋、食料、調理器具…。これらの荷物を限られた車内にどう収めるか、パズルのような計画性が必要です。ルーフキャリアを導入して一部の荷物を車外に出すなど、抜本的な対策も有効です。
- プライベート空間の欠如:文字通り、四六時中同じ空間にいることになります。一人の時間が欲しい、と感じることもあるかもしれません。お互いのペースを尊重し合う思いやりが試されます。
- 共同作業の連続:ベッドの設営から調理、後片付けまで、全ての作業を狭い空間で協力して行う必要があります。息が合わないと、些細なことでストレスを感じる可能性もあります。
しかし、このような制約があるからこそ、2人で知恵を出し合い、コンパクトな秘密基地のような空間をどう快適にするか、という過程そのものを楽しめるのがジムニーの魅力でもあります。
まずは近場で1泊から試してみて、お互いのスタイルや必要なもの、改善点を見つけていくのが、成功への近道です。
ジムニーの車中泊を2人で満喫するコツ
最後に、この記事の要点をまとめます。ジムニーという最高の相棒と、大切なパートナーの2人で車中泊を成功させるためのポイントは以下の通りです。これらの準備と心構えがあれば、きっと忘れられない素晴らしい体験が待っています。
- 何よりもまず車内の段差を解消しフルフラットな空間を作ること
- シートアレンジを工夫すれば最大約180cmの就寝スペースが生まれる
- ベッドの土台作りは品質の市販キットか自由度のDIYで選ぶ
- 寝心地を左右するマット選びは最も重要な投資と心得る
- ニトリのマットは価格と種類の豊富さが魅力で初心者に優しい
- モンベルのマットは高機能で断熱性に優れ本格的な快適さを提供する
- JB23の段差問題はアイリスオーヤマのRVBOXがスマートに解決する
- プライバシー確保と断熱に役立つシェードは絶対的な必須アイテム
- 安全のため車内照明はバッテリー上がりの心配がないLEDランタンを使う
- 季節に合った寝袋(シュラフ)を用意すれば朝晩の冷え込みも怖くない
- ジムニーとシエラの室内の広さは同じ、選ぶ基準は走りや維持費で
- ルーフキャリアやルーフネットで収納力を上げ車内を広く使う
- 換気用の網戸や電源の増設で快適性はさらに向上する
- 窮屈さも「秘密基地感」として楽しめるかが成功の分かれ道
- お互いを思いやり、不便さを笑い飛ばす気持ちが最高のスパイスになる