ホンダのフィットで車中泊をお考えの皆さん、特にご自身の身長が180cm近いという方は、車内の広さや快適に過ごせるのかどうか、多くの疑問をお持ちではないでしょうか。コンパクトな見た目のフィットですが、実は工夫次第で快適な車中泊空間を作り出すことが可能です。
この記事では、フィットの車室サイズや効果的なシートアレンジ、そしてフルフラットのやり方から、身長180cmの方が車中泊をする際のポイント、さらには2人での利用の可能性まで、詳しく解説していきます。
ニトリのマットなどを活用した寝床作り、より快適性を高めるためのベッドの自作アイデア、簡単な改造、車中泊キットや便利な目隠しアイテムについても触れていきますので、失敗や後悔のない楽しい車中泊を実現するためのヒントが見つかるはずです。フィットの車中泊と身長に関する不安を解消し、準備万端で出かけましょう。
記事のポイント
- フィットの車内寸法と180cmの人が寝る際の詳細な工夫
- 快適なフルフラット空間を作り出すシートアレンジ術と段差解消法
- 車中泊を格段に快適にする便利アイテムとベッド自作のアイデア
- 二人での車中泊の可否や、より安全で楽しい車中泊のための注意点
フィットで車中泊!身長180cmでも可能か検証

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ホンダフィットはコンパクトカーとして人気ですが、車中泊の適性、特に身長180cmの方が快適に過ごせるかについては気になるところです。ここでは、フィットの基本的な広さやシートアレンジ、段差対策など、車中泊の可否を検証する上で押さえておきたいポイントを解説します。
このセクションで解説する内容は以下の通りです。
- フィットの車室サイズを徹底解説
- 身長180cmの人がフィットで車中泊するための工夫
- 基本のシートアレンジ方法
- フルフラットのやり方と段差対策
- ニトリのマットは使える?厚さやサイズ感について確認
フィットの車室サイズを徹底解説

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フィットが車中泊に適しているかどうかを判断する上で、まず把握しておきたいのが車室サイズです。フィットは、ホンダ独自のセンタータンクレイアウト(通常は後席の下にある燃料タンクを前席下に配置する技術)を採用しており、これによりコンパクトなボディながらも広い室内空間と荷室を実現しています。
具体的に、後席を倒したユーティリティーモード時の荷室の寸法を見ていくと、縦方向(奥行き)が約144cm、荷室の対角線で測ると約170cmになります。幅については、最も広い部分で約115cm、タイヤハウス間など狭い部分では約100cm程度となります。
この数値だけを見ると、身長180cmの方がまっすぐ横になるには長さが足りないと感じるかもしれません。しかし、フィットのシートアレンジや空間の工夫次第で、この課題に対応できる可能性があります。例えば、助手席を最も前までスライドさせることで、荷室長を約174cmまで拡大できます。ただし、この場合は助手席と倒した後席の間に隙間が生じるため、その部分を埋める工夫が必要になります。
室内高もフィットの魅力の一つで、センタータンクレイアウトのおかげで後部座席を倒した際に床面が低く抑えられ、圧迫感の少ない空間が得られます。自転車のような高さのある荷物も積載できるほどの収納力は、車中泊時の荷物整理にも役立つでしょう。
これらの寸法を考慮し、後述するシートアレンジやアイテム活用を行うことで、フィットの車室サイズを最大限に活かした車中泊空間作りが可能になります。
身長180cmの人がフィットで車中泊するための工夫

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フィットの車室サイズを踏まえた上で、身長180cmの方が実際に車中泊をする場合の身長制限について考えてみましょう。前述の通り、単純に後席を倒しただけでは、まっすぐ足を伸ばして寝るのは難しい寸法です。身長170cm程度の方であれば、荷室の対角線を利用したり、少し斜めになったりすることで比較的楽に横になれるでしょう。
また、助手席を最前端までスライドさせ、後席との間にできる隙間を埋める工夫をすれば、縦方向に約174cmのスペースを確保できます。 しかし、身長180cmの方にとっては、それでもまだ余裕があるとは言えません。この場合、完全に足を伸ばさず少し膝を曲げるか、一人での車中泊であれば荷室全体を斜めに使うことでより長いスペースを確保するなどの工夫が考えられます。
ただし、これらの工夫によっても段差や隙間が生じやすいため、埋めるためのアイテムが不可欠です。 実際にフィットで車中泊をされている方の中には、身長170cm台後半でも工夫次第で快適に過ごせているという声があります。しかし、180cmを超える場合は、やはり窮屈さを感じる可能性が高いと考えられます。
身長が高い方は、寝心地を改善するためのマット選びや段差解消をより入念に行う必要があります。フィットでの車中泊が全く不可能というわけではありませんが、身長180cmの方が快適性を追求するには、相応の準備と割り切りが必要になる場面もあるかもしれません。事前のシミュレーションや、短時間での仮眠から試してみるのがおすすめです。
基本のシートアレンジ方法

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フィットで車中泊をする際の基本となるのが、多彩なシートアレンジを活かして就寝スペースを作り出すことです。フィットにはいくつかのシートアレンジモードがありますが、車中泊で主に活用されるのは「ユーティリティー・モード」です。このモードは、後席の背もたれを前方に倒すことで、荷室と一体の広いフラットな空間を作り出すアレンジです。
操作は非常に簡単で、後席の肩口にあるレバーを引くだけで、背もたれが倒れ、座面が下方向に沈み込む「ダイブダウン機構」により、スムーズに荷室を拡大できます。この操作の手軽さは、車中泊の準備や撤収を迅速に行う上で大きなメリットとなります。
ユーティリティー・モードにすると、荷室長は約144cm、対角線では約170cmのスペースが生まれます。シートをできるだけ前にスライドさせてから背もたれを倒し、座席間の隙間を埋めることで、さらにスペースを有効活用できます。 フィットでの車中泊におけるシートアレンジは、ユーティリティー・モードを基本とし、前席の位置調整などでスペースを最大限に引き出す工夫を凝らすことがポイントになります。
フルフラットのやり方と段差対策

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フィットで快適な車中泊空間を作るためには、シートアレンジ後のフロアをいかにフラットに近づけるかが鍵となります。完全に水平なフルフラット状態を作るのは難しいものの、いくつかの工夫で寝心地を大きく改善できます。
フルフラット化の手順としては、まず後席を倒してユーティリティー・モードにします。次に、より長い就寝スペースを確保するため、助手席を最も前方へスライドさせます。さらに、助手席のヘッドレストを取り外し、背もたれを可能な限り前に倒すか、あるいは後ろに倒してフラットな面を作ります。状況に応じて運転席も同様に調整します。
この手順で、ある程度のフラットな空間ができますが、いくつかの段差や傾斜が残ります。 フィットのユーティリティー・モードでは、主に二つの段差や傾斜に注意が必要です。一つ目は、倒した後席の背面と荷室フロアの間に生じる約7cmの段差です。フィットではこの段差を緩やかにする工夫が施されていますが、それでも長時間横になると気になることがあります。
この段差の対策としては、折りたたみ式のマットや厚手のキャンプマット、専用の段差解消マットなどを敷くことで軽減できます。荷室側の一段低くなっている箇所(約62cm × 約100cm)に合わせてマットを配置すると効果的です。例えば、厚さ5cm程度のマットを配置すると、段差をほぼ解消できるでしょう。
二つ目は、座席間の隙間です。助手席を最前端へスライドさせた場合、倒した後席との間に約34cmの隙間ができます。この隙間については、市販の折りたたみ式の踏み台や、荷物を詰めたバッグ、スペースクッションなどを配置して埋めます。踏み台のサイズは、隙間の寸法(奥行き約34cm × 幅約36cm × 高さ約26〜33cm)に合うものを選びましょう。
これらの対策を施すことで、よりフラットで快適な就寝スペースを作り出すことが可能です。段差の程度や使用するアイテムによって寝心地は変わるため、実際に試しながら最適なセッティングを見つけることが大切です。
「車中泊の際の段差を解消!100均アイテムで快適な寝床を作る方法」でも、段差解消の工夫について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
ニトリのマットは使える?厚さやサイズ感について確認

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車中泊の快適性を左右する重要なアイテムの一つがマットです。専用品は高価な場合もありますが、ニトリなどで販売されている家庭用の敷布団やマットレスも、工夫次第でフィットの車中泊に活用できます。
ニトリでマットや敷布団を選ぶ際には、まずある程度の厚みがあるもの(例えば5cm~10cm程度)を選ぶと、シートの段差や底付き感を軽減できます。ただし、厚すぎると収納にかさばるためバランスが大切です。
次に、フィットの荷室寸法(長さ約170cm~174cm程度、幅約100cm程度)を考慮し、できるだけフィットするサイズを選びます。シングルサイズ(幅97cm前後、長さ195cm前後)の三つ折りマットレスなどが候補になります。長さが余る場合は折りたたんで調整が必要です。
また、車中泊ではマットの収納も重要ですので、三つ折りや六つ折りにできるタイプ、あるいは軽量なウレタンマットなどが持ち運びや収納に便利です。さらに、高反発ウレタンは体をしっかり支え、低反発ウレタンは体にフィットしやすいなど、材質によって寝心地が異なりますので、実際に店舗で試せる場合は好みの硬さを確認すると良いでしょう。
注意点としては、ニトリの製品は基本的に家庭用であり、車中泊専用設計ではないため、完全にフィットするわけではありません。購入前に必ずフィットの荷室サイズを実測し、製品サイズと比較検討することが失敗を防ぐコツです。
また、実際に敷いてみて段差が気になる場合は、追加でタオルや薄手のマットを挟むなどの調整が必要になることもあります。
フィットで車中泊!身長180cmでも快適に過ごす工夫

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前述の通り、フィットの基本的な車中泊準備について解説しましたが、身長180cmの方がより快適に過ごすためには、さらにいくつかの工夫が求められます。ここでは、ベッドの自作から便利なアイテムの活用、プライバシー対策、そして少し踏み込んだ改造アイデアまで、快適性を高めるための具体的な方法をご紹介します。
このセクションで解説する内容は以下の通りです。
- DIYで快適ベッド | 自作テクニック
- 便利な車中泊キットの選び方
- プライバシー確保のための窓の目隠し方法
- 上級者向けフィットの改造アイデア
- 2人で車中泊するときのポイント
- フィットで車中泊 | 身長180cmでも快適に過ごすためのポイント
DIYで快適ベッド | 自作テクニック

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市販のマットだけでは満足できない、あるいはより自分に合った寝床を作りたいという方には、ベッドの自作(DIY)も一つの選択肢です。フィットの限られたスペースを最大限に活用し、フラットで快適な就寝環境を整えるためのアイデアをいくつか紹介します。
簡単なDIYとしては、前席を前方へスライドさせた際にできる後席との隙間(奥行き約34cm)を埋める方法があります。ホームセンターなどで手に入る、天板が約22cm×36cm、高さ30cm程度の市販の折りたたみ式踏み台をこの隙間に配置すると、うまく収まりスペースを有効活用できます。
踏み台の上にクッション性のあるマットを渡せば、ベッドスペースを延長できます。この際、踏み台の高さがフロアの高さと合うように調整することが大切です。
より本格的なベッドを作りたい場合は、イレクターパイプや木材(すのこなど)を使ったDIYが考えられます。まず、フィットの荷室と後席を倒したスペースの寸法を正確に測定し、どのような構造のベッドにするか設計します。身長180cmの方が足を伸ばせるように、助手席側を長く取るなどの工夫も可能です。
材料としては、フレームに軽量で加工しやすいイレクターパイプや木材を、天板には強度のある合板やすのこを利用します。組み立ての際は、フレームを組んだ後に天板を設置し、ベッド下を収納スペースとして活用できるように脚の高さを調整するのも良いでしょう。ベッドの高さを上げることで、荷室の段差を気にせず完全にフラットな面を作り出すことも可能です。
自作のメリットとしては、車種に合わせたジャストサイズのベッドが作れること、デッドスペースを有効活用し収納スペースを確保できること、市販品より安価に済む場合があること、そして自分の好みに合わせた寝心地を追求できることなどが挙げられます。
一方デメリットとしては、設計や製作に手間と時間がかかること、ある程度のDIYスキルや工具が必要なこと、材料選びや強度計算を誤ると安全性に問題が生じる可能性があること、そして車検時に構造物として指摘される可能性も考慮が必要であること(簡単に取り外しできる構造が望ましい)などがあります。
DIYに挑戦する際は、まず簡単なものから始め、安全性を十分に考慮して作業を進めるようにしてください。インターネット上には様々な車中泊ベッドの自作例が公開されているので、参考にしてみるのも良いでしょう。
「車中泊用ベッドに使う木材の種類と選び方は?DIYについても解説」では、ベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
便利な車中泊キットの選び方

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車中泊をより快適で便利にするためには、車中泊キットやアイテムを揃えることも有効です。フィット専用のキットは多くありませんが、汎用品や他のコンパクトカー向けアイテムの中から、フィットに合うものを選ぶ際のポイントを紹介します。
まず、車中泊であると便利な基本的なアイテム群として、快適な睡眠のためのマットや寝袋が挙げられます。マットは段差解消とクッション性、断熱性を考慮し、寝袋は季節に応じた保温力のあるものを選びましょう。次に、プライバシー確保、光の遮断、防犯、断熱効果があるシェードやカーテンも大切です。窓のサイズに合ったものを選ぶことが求められます。
さらに、スマートフォンやタブレットの充電、小型の電気毛布や扇風機などを使用する場合に役立つポータブル電源も便利です。容量(Wh)と出力(W)、充電方法を確認しておきましょう。車内照明としてのランタンやLEDライト、車外や車内で食事や作業をする際に使用するコンパクトに収納できるテーブルやチェア、そして夏場の虫対策と換気に役立つ網戸なども用意しておくと良いでしょう。
フィットでこれらのアイテムを選ぶ際には、使用しないときにコンパクトに収納できるかどうかも重要な選定基準となります。折りたたみ式や分割式のもの、軽量な素材のものが適しています。加えて、特にシェードやマットなど、頻繁に設置・撤収するものは、手間がかからない製品を選ぶとストレスが少なく済みます。
ルーフキャリアやルーフボックスを利用して積載量を増やすこともできますが、重量が増え燃費が悪化する可能性も考慮しましょう。 車中泊キットとしてセット販売されているものもありますが、個々のアイテムを自分のスタイルやフィットの特性に合わせて選び、組み合わせていくのも一つの方法です。
プライバシー確保のための窓の目隠し方法

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車中泊において、プライバシーの確保と外部からの光の遮断は、安心して快適に眠るために非常に重要です。フィットの窓全体を覆うための目隠し方法について、手軽なものからしっかり対策できるものまで紹介します。
目隠しが必要な理由としては、まず車内での着替えや就寝中の姿を外部から見られないようにするプライバシー保護が挙げられます。次に、車内に人がいることを悟られにくくしたり、車内の荷物を見えにくくしたりすることで車上荒らしなどのリスクを低減する防犯効果も期待できます。
さらに、街灯や他車のヘッドライトなど外部の光を遮断し暗い環境を作ることで質の高い睡眠をサポートする安眠効果、そして夏は日差しを遮って車内温度の上昇を抑え冬は冷気を遮断し車内の保温性を高める断熱効果もあります。
目隠しの種類と設置方法としては、最も手軽でフィット感が高いのは車種専用設計のサンシェードですが、汎用サンシェードやカーテンも選択肢で、フロントガラス用サンシェードをリアウィンドウや大きなサイドウィンドウに流用したり、ドア上部のグラブレールや窓枠にカーテンレールを取り付けたり吸盤式のカーテンを使用したりします。
また、100均グッズを活用した自作シェードも有効です。キャンプ用の銀マット、厚手のレジャーシート、黒い布、プラダンなどをフィットの各窓の形に合わせてカットし、吸盤やマジックテープで取り付けることができます。
設置の際のポイントとして、フロント、両サイド、リア、そしてフィットの場合は荷室横の小さな三角窓も忘れずに覆うとより効果的です。また、光漏れや視線の侵入を防ぐため、できるだけ隙間ができないように丁寧に設置することが大切です。
目隠しをした状態でも換気ができるように、一部の窓に網戸を取り付けたり、少しだけ窓を開けられるような工夫も考慮すると良いでしょうが、その際は防犯にも注意が必要です。自分に合った方法でしっかりと目隠し対策を行い、安心して車中泊を楽しめる環境を整えましょう。
「車中泊で目隠しはいらない?車中泊のリスクと対策について解説」では、車中泊の目隠し対策について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
上級者向けフィットの改造アイデア
フィットでの車中泊をさらに快適に、そして本格的に楽しみたいと考える上級者の方々へ向けて、いくつかの改造アイデアを提案します。ただし、フィットはコンパクトカーであり、大掛かりな改造には限界があること、また改造内容によっては車検への影響や車両の安全性に関わる場合もあるため、専門知識のあるショップに相談するか、慎重な検討と自己責任のもとで行うことが前提です。
一つ目のアイデアは、サブバッテリーシステムの導入です。車中泊中にエンジンを停止した状態で電化製品を長時間使用したい場合、車両のメインバッテリー上がりを防ぐために有効です。これにより、ポータブル電源よりも大容量の電力を確保し、照明や小型冷蔵庫などに安定して電力を供給できます。
構成要素としてはサブバッテリー本体、走行充電器、DC/ACインバーターなどがあり、フィットの場合は設置スペースの確保が課題となりますが、荷室の床下収納などが候補になります。ただし、電気配線作業は専門知識が必要で、ショートや火災のリスクもあるため注意が必要です。
二つ目は、冬場の車中泊でエンジンをかけずに暖房を使用したい場合に非常に有効なFFヒーターの設置です。車両の燃料を少量消費し温風を車内に供給する仕組みで、低燃費で長時間の暖房が可能であり、静かで環境にも優しいというメリットがあります。しかし、フィットへの設置は本体設置場所や燃料の取り出し、吸排気管の取り回しなど難易度が高いとされ、専門業者への依頼が一般的です。
最後に、車体全体の断熱性能の向上も考えられます。内張りを剥がし、制振材や断熱材をボディパネルに貼り付けることで、外気温の影響を受けにくくなり冷暖房効率も向上します。しかし、内張りの脱着作業は手間がかかり、クリップ破損などのリスクもあります。
これらの改造は、フィットの利便性や快適性を大きく向上させる可能性がありますが、費用や手間、車両への影響を十分に理解した上で検討することが求められます。まずは情報収集を徹底し、専門家の意見も参考にしながら計画を進めましょう。
2人で車中泊するときのポイント

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フィットはコンパクトカーでありながら、工夫次第で1人の車中泊は十分に可能です。では、2人での車中泊はどうでしょうか。スペースの制約がある中で、2人が快適に過ごすためのポイントや注意点を考察します。
まずスペースの確保と限界についてですが、フィットの荷室を最大限に活用しても、大人2人がゆったりと足を伸ばして寝るスペースを確保するのは容易ではありません。ユーティリティーモードで助手席を最前端にスライドさせた場合の荷室長は約174cm、幅は約100cm(タイヤハウス間)程度です。
2人で寝る場合、一般的には同じ方向に頭を向けて寝ることになりますが、フィットの場合、荷室長が限られているため、長身の2人だと足を曲げるか互い違いに寝るなどの工夫が必要になるかもしれません。
マットの選択も重要で、幅100cmのスペースに2人分のマットを敷く場合、シングルサイズのマット2枚では窮屈になる可能性があり、ダブルサイズのエアマットなども検討できますが、フィットの荷室形状に合うか確認が必要です。当然ながら、2人の体格によって快適度は大きく変わります。
次に荷物の置き場所ですが、2人分の荷物となるとかなりの量になります。就寝スペースを確保するためには、荷物の置き場所を工夫することが不可欠です。就寝時には使用しない運転席や助手席の足元、シート上が主な荷物置き場となります。フィットには荷室下にアンダーラゲッジがあるため、頻繁に使わない工具や小物を収納するのに役立ちます。
どうしても車内に収まらない荷物は、ルーフキャリアやルーフボックスを活用することを検討しましょう。荷物はできるだけコンパクトにまとめ、収納ボックスなどを活用して整理整頓を心がけることが、限られたスペースを有効に使うコツです。
快適性と注意点としては、2人であっても目隠しによるプライバシー確保は重要です。また、2人で寝ると車内の二酸化炭素濃度が上がりやすく結露も発生しやすくなるため、定期的な換気を心がけましょう(参考:厚生労働省)。スペースが限られているため寝返りが打ちにくく、睡眠の質が低下する可能性もあります。
総合的に判断すると、フィットでの2人車中泊は、「不可能ではないが、快適性を追求するには工夫と割り切りが必要」と言えるでしょう。短期間の旅行や仮眠程度であれば対応できるかもしれませんが、連泊や快適性を重視する場合は、より広い車種を検討するか、1人での利用に留める方が無難かもしれません。
実際に試してみる場合は、まず自宅の駐車場などでシミュレーションを行い、問題点や改善点を見つけておくことをお勧めします。
フィットで車中泊 | 身長180cmでも快適に過ごすためのポイント
ここまで、ホンダフィットで身長180cmの方が車中泊をする際の様々な情報や工夫について解説してきました。最後に、これまでのポイントを総括し、快適な車中泊を実現するためのコツを箇条書きでまとめます。
- フィットの荷室長はシートアレンジ次第で約170cmから174cm程度確保可能
- 身長180cmの場合、足を完全に伸ばすには斜めに寝るか膝を曲げるなどの工夫が必要
- 車中泊の基本シートアレンジは後席を倒すユーティリティーモード
- 助手席を最前端へスライドし、踏み台などで隙間を埋めると足元スペースが広がる
- 後席と荷室フロアの約7cmの段差は、厚手のマットで解消を目指す
- ニトリの敷布団やマットレスも、サイズを選べばフィットで活用可能
- DIYでベッドを自作すれば、よりフラットで収納効率の高い寝床を実現できる
- 目隠しシェードはプライバシー確保と安眠、防犯、断熱のために必須アイテム
- 100円ショップのグッズを組み合わせても、効果的な目隠しは自作できる
- ポータブル電源やLEDランタンなどの車中泊キットは快適性を向上させる
- 2人での車中泊はスペース的にかなり窮屈になる可能性を理解しておく
- 荷物の収納場所は運転席や助手席、床下収納、ルーフキャリアなどを最大限活用