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家族旅行やアウトドアの選択肢として、自由度の高い「車中泊」が人気を集めています。中でもトヨタのヴォクシーは、その広い室内空間と多彩なシートアレンジから、車中泊のベース車両として有力な候補と考える方も多いでしょう。
しかし、「本当にヴォクシーで、しかも家族4人が快適に眠れるのか?」という疑問は尽きません。
特に4人家族でミニバンを利用する場合や、大人数、例えば5人での就寝は現実的なのか、シートタイプが異なる7人乗りや8人乗りモデルで上手な寝方はあるのか、そして何より快適な睡眠を妨げるシートの段差解消はどうすれば良いのか、気になる点は山積みです。
この記事では、ニトリのアイテムを使った手軽な工夫から、本格的なベッドキットの活用、さらにはあると便利な各種グッズまで、ヴォクシーでの4人車中泊を成功させるための具体的な方法とアイデアを、実用的な視点から徹底的に解説します。
記事のポイント
- ヴォクシーで4人が快適に寝るための具体的な方法
- 7人乗りと8人乗りモデルそれぞれの車中泊での特徴
- ニトリの製品や専用ベッドキットを使った段差解消のコツ
- 車中泊を成功させるためのおすすめ便利グッズ
目次
ヴォクシーで車中泊 | 4人で快適に行うための基本準備

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- 車中泊するなら7人乗りと8人乗りはどちらが良い?
- 5人での車中泊は現実的か?
- 4人で車中泊 | 他のミニバンとの比較
- 基本的な寝方の3つのパターン
- 最重要課題である段差解消の方法
車中泊するなら7人乗りと8人乗りはどちらが良い?

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ヴォクシーで車中泊を検討する際、多くの方が最初に悩むのが7人乗り(2列目キャプテンシート)と8人乗り(2列目ベンチシート)のどちらを選ぶかという点です。それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらが最適解かはライフスタイルによって異なります。
結論から言えば、就寝時のフラットさを最優先するなら8人乗り、普段使いの快適性や乗車時のアレンジも重視するなら7人乗りがおすすめと言えるでしょう。
この違いが生まれる最大の理由は、2列目シートの構造にあります。
8人乗りの2列目は一体型のベンチシートのため、シートを倒した際に座面が連結し、比較的凹凸の少ないフラットな空間を作りやすいのが大きな特徴です。
一方、7人乗りは2つの独立した豪華なキャプテンシートなので、シート間に通路(ウォークスルー)分の隙間ができてしまいます。この隙間が、車中泊時にはデメリットとなり得るのです。
それぞれのメリットとデメリットを、より具体的に比較してみましょう。
モデル | メリット | デメリット |
---|---|---|
8人乗り (ベンチシート) | ・2列目と3列目を倒した際に隙間がなく、 比較的フラットな大空間を作りやすい ・シートアレンジがシンプルで直感的 | ・乗車時の2列目の快適性(特に横方向のゆとり)は キャプテンシートに劣る ・2列目から3列目へのウォークスルーができない |
7人乗り (キャプテンシート) | ・独立シートによる普段の乗車時の快適性が非常に高い ・2列目中央のウォークスルーで3列目へのアクセスが容易 ・上級グレードにはオットマンも装備され、くつろぎの質が高い | ・シートを倒した際に中央に約20cm弱の隙間ができる ・完全なフラット化には隙間を埋める工夫が必須となる |
どちらのモデルでも工夫次第で快適な空間は作れる!
8人乗りは確かにフラット化しやすいですが、7人乗りであっても全く問題ありません。
中央の隙間は、クーラーボックスや収納ボックス、あるいは市販の「シートの隙間を埋めるクッション」などを置くことで簡単に埋めることができます。むしろ、この隙間をうまく活用して、すぐに取り出したい荷物(着替えや飲み物など)の置き場所にすることも可能です。
最終的には、車中泊の頻度と、普段の車の使い方(送迎、買い物、旅行など)を天秤にかけ、ご自身のライフスタイルに合ったモデルを選択することが最も重要になります。
5人での車中泊は現実的か?
「家族4人で寝られるなら、子どもが小さいから5人でも大丈夫では?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ヴォクシーで大人を含む5人が安全かつ快適に就寝するのは極めて困難であり、推奨できません。
理由は、物理的なスペースが絶対的に不足するためです。ヴォクシーのシートをフルフラットにアレンジしても、大人5人が体を伸ばして横になるための幅と長さを確保することはできません。
仮に「大人2人+小学生のお子さん3人」という構成であっても、全員が身動きの取れない「雑魚寝」状態となり、寝返りを打つスペースもなく、睡眠の質は著しく低下します。
安全と健康のための適正人数
車中泊は、あくまでも安全で快適な休息をとるための手段です。窮屈な姿勢で長時間過ごすと、血行不良による「エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)」のリスクが高まります。
実際に、JAF(日本自動車連盟)も車中泊時のエコノミークラス症候群について注意を呼びかけており、定期的な水分補足やストレッチの重要性を訴えています(参照:JAF公式サイト)。
十分な睡眠が取れなければ、翌日の運転に深刻な支障をきたす危険性も無視できません。ヴォクシーでの快適な車中泊は、大人2〜3人、または大人2人と子ども2人の合計4人までが安全かつ現実的なラインだと考えましょう。
もし、どうしても5人以上での車中泊を実現したい場合は、ポップアップルーフの設置や、車外にサイドテントを連結するなどの大掛かりなカスタマイズが必要となります。
例えば、愛知県のキャンピングカービルダー「ホワイトハウス」が製作するコンプリートカー「ヴォクシー デイズ」のような、ポップアップルーフを備えたカスタムカーであれば、ルーフテント部分で2人、車内で2人の合計4人がゆったりと就寝可能です。
このような専門業者によるカスタムも、本格的に車中泊を楽しみたい方にとっては有効な選択肢の一つです。
4人で車中泊 | 他のミニバンとの比較

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ヴォクシーが4人での車中泊に非常に適した一台であることは間違いありませんが、競合ひしめくMクラスミニバンの中で、どのような強みがあるのでしょうか。
ここでは、長年のライバルであるホンダ・ステップワゴンや日産・セレナと比較し、ヴォクシーの立ち位置を明確にします。
結論を先に述べると、ヴォクシーの最大の強みはシートアレンジによって生まれるフラット空間の広さと、1,405mmというクラストップレベルの室内高にあります。この室内高の余裕は、車内での着替えや移動のしやすさに直結し、圧迫感の軽減に大きく貢献します。
特に、後々DIYで2段ベッド化などのカスタムを検討する際には、この高さが絶大なメリットとなるでしょう。
車種 | 特徴的な機能・性能 | 車中泊でのメリット・デメリット |
---|---|---|
トヨタ ヴォクシー | ・クラストップレベルの室内高(1,405mm) ・素直で広大なフラット空間を作れるシートアレンジ ・ハイブリッド車に設定された1500Wアクセサリーコンセント | メリット:圧迫感が少なく着替えも楽。カスタムの自由度が高い。家電が使えるため快適性が飛躍的に向上。 デメリット:シートアレンジだけでは段差が残るため、マット等での対策が必須。 |
ホンダ ステップワゴン | ・3列目シートが床下に完全に格納できる「マジックシート」 ・低床設計による乗り降りのしやすさ ・ワクワクゲート(旧モデル)の利便性 | メリット:後部がほぼ完全なフラットになり、段差が非常に少ない。荷室フロアが低い。 デメリット:3列目格納モードだと就寝スペースの全長がやや短くなる傾向がある。 |
日産 セレナ | ・多彩なシートアレンジが可能な「スマートマルチセンターシート」 ・e-POWERによる静粛性とモーター駆動のスムーズさ ・酔いにくいと評判の走行安定性 | メリット:e-POWER車は静かに発電でき、アイドリングの騒音・振動が少ない。 デメリット:シートアレンジが多機能な分、やや複雑。完全なフラット化には慣れが必要。 |
どの車種も本当に個性的で、甲乙つけがたいですよね!ステップワゴンの床下収納は本当に見事ですし、セレナのe-POWERの静かさは唯一無二です。
その中でヴォクシーは、「空間の広さ」という基本性能と、「アレンジの素直さ」で非常にバランスが取れているモデルと言えます。特にDIYで自分好みの空間を作りたい方にとっては、室内高の高さは大きなアドバンテージになります。
このように、各車種にそれぞれ際立った特徴がありますが、ヴォクシーは4人での車中泊というテーマにおいて、高い基本性能と発展性を兼ね備えた、非常にポテンシャルの高い一台であることがお分かりいただけると思います。
基本的な寝方の3つのパターン
ヴォクシーで就寝スペースを作り出すシートアレンジには、主に3つの公式パターンが存在します。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、乗車人数、荷物の量、休憩時間に応じて賢く使い分けることが、快適な車中泊への第一歩です。
はじめに:ヘッドレストの取り扱い
どのアレンジを行う際も、まずはシートのヘッドレストを取り外すことから始めます。外したヘッドレストは意外とかさばるため、運転席・助手席の足元や、シート下の隙間などに収納しておくと良いでしょう。
パターン1:フロントフラットソファモード(1・2列目を利用)
運転席と助手席のヘッドレストを外し、シートを前方へスライドさせた上で背もたれを後方に倒し、2列目シートの座面と連結させるモードです。
このアレンジの最大のメリットは、3列目シートを格納する必要がなく、広大な荷室をそのまま維持できる点にあります。サービスエリアでの短時間の仮眠など、荷物を大きく移動させることなく、すぐに休憩に入りたい場合に非常に便利です。
ただし、アームレストやシート形状による段差が最も大きく、完全にフラットにはなりません。あくまでも横になって体を休めるための「休憩モード」と考えるのが適切で、熟睡には不向きです。
パターン2:リアフラットソファモード(2・3列目を利用)
2列目シートのヘッドレストを外し、後方にスライドさせながら背もたれを倒して3列目シートの座面と連結させるモードです。これが家族4人での車中泊における、最も基本的でバランスの取れた王道スタイルとなります。
大人2人と子ども2人が横になるのに十分な、広大なフラット空間を作り出すことができます。就寝スペースの長さも十分に確保できるため、身長が高い方でも比較的ゆったりと過ごせます。
前述の通り、8人乗りモデルの方がよりフラットに近い状態を作りやすいですが、7人乗りでも後述する段差解消アイテムを使えば全く問題なく快適な空間に仕上げることが可能です。
パターン3:ビッグラゲージモード(3列目を格納)
3列目シートを左右に跳ね上げて格納し、2列目シートを一番前までスライドさせることで、広大な荷室フロアを就寝スペースとして活用するモードです。
このアレンジは、シートの凹凸が最も少なく、ほぼフラットに近い床面が使えるのが最大のメリットです。しかし、確保できるスペースの長さが最大で約165cm(7人乗り仕様の場合)と、身長の高い大人には少し窮屈です。
小柄な方や子どもが寝る場合、あるいは自転車や大型クーラーボックスなど、どうしても大きな荷物を積んだまま就寝したい場合に適した、やや特殊なモードと言えるでしょう。
最適なアレンジを見つけよう
どのモードを選択するにせよ、快適な睡眠のためには次項で解説する「段差解消」が必須となります。
まずはこれらの基本パターンをご自身の車で実際に試し、体格や荷物の量に最も合ったアレンジを見つけることから始めてみてください。
最重要課題である段差解消の方法

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ヴォクシーのシートアレンジは多彩で便利ですが、どのパターンを選んでもシートの構造上、残念ながら完全なフラットにはなりません。
快適な睡眠を妨げる最大の敵、それがシートの凹凸やシートベルトのバックル、そしてシート間の隙間です。この最重要課題をいかにして解決するかが、車中泊の成否を分けると言っても過言ではありません。
段差解消の方法は、予算や手軽さ、求める快適性のレベルに応じて、いくつかのアプローチが考えられます。
レベル1:家にあるもので工夫する(予算:0円〜)
最も手軽でコストがかからない方法です。自宅にあるバスタオルやクッション、シーズンオフの毛布などを、気になる凹んだ部分に詰め込んでいく原始的な方法です。
特に、腰やお尻が当たる部分の大きな段差や、気になるシートベルトのバックル部分、7人乗り仕様のシート中央の隙間に有効です。
- メリット:費用が一切かからない。すぐに試せる。
- デメリット:寝ている間に中身がズレやすく、安定感に欠ける。根本的な解決にはなりにくい。
レベル2:車中泊専用マットを利用する(予算:1万円〜3万円)
最もポピュラーで、費用対効果が最も高い方法が、厚みのあるマットを敷くことです。空気で膨らむインフレーターマットや、ウレタン素材の高反発マットレスは、それ自体の厚みと適度な硬さで下の凹凸を吸収・無効化し、快適な寝心地を提供してくれます。
マットの厚さは、効果を実感できる最低ラインが5cm、ほとんどの段差が気にならなくなる推奨ラインが8cm以上とされています。このレベルの対策を行うだけで、睡眠の質は劇的に向上します。
レベル3:DIYでベッドを自作する(予算:2万円〜5万円)
ホームセンターで手に入るイレクターパイプや木材(2x4材など)を使って、車内にベッドフレームそのものを自作する方法です。時間と労力はかかりますが、自分の車の寸法にミリ単位で合わせた、完全にフラットな就寝スペースを作り出すことができます。
子どもたちが喜ぶ2段ベッドの製作も夢ではありません。
- メリット:理想の就寝空間を追求できる。ベッド下を巨大な収納スペースとして有効活用できる。
- デメリット:DIYの知識と技術、作業時間が必要。製作コストもそれなりにかかる。
これから車中泊を始める初心者の方は、まず「レベル2:車中泊専用マット」から試してみるのが断然おすすめです。設置も簡単で、投資した金額以上の快適性が確実に得られますよ!
「車中泊の際の段差を解消!100均アイテムで快適な寝床を作る方法」では、段差解消の工夫について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
ヴォクシーで車中泊 | 4人で快適に行うためのおすすめアイテム

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- ニトリのマットは本当に使えるのか
- 車中泊を快適にするならベッドキットの導入を
- 必須のプライバシー保護グッズ
- 忘れてはいけない気温対策グッズ
ヴォクシーで車中泊!4人でも快適に泊まるためのポイント
ニトリのマットは本当に使えるのか

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「車中泊専用マットは種類も多くて値段も高い…」と感じる方にとって、まさに救世主となるのがニトリのマットレスです。結論から言うと、ニトリの家庭用マットレスは車中泊用途でも非常に優秀で、圧倒的なコストパフォーマンスを誇る選択肢と言えます。
数あるニトリの製品の中でも、特に多くの車中泊ユーザーから絶大な支持を得ているのが「高反発3つ折りマットレス」シリーズです。その人気の理由は、車中泊に求められる要素を以下の通り高いレベルで満たしている点にあります。
ニトリ「高反発3つ折りマットレス」が車中泊に最適な理由
特長 | 詳細 |
---|---|
絶妙なサイズ感 | 特にセミダブルサイズ(幅120cm×長さ197cm)が、ヴォクシーの2・3列目をフラットにした際の室内幅に驚くほどシンデレラフィットします。まるで専用品かのような収まりの良さです。 |
十分な段差解消能力 | 厚さが7cmや10cmのモデルがラインナップされており、シートの気になる段差をしっかりと吸収してくれます。特に10cm厚を選べば、ほとんどの凹凸は気にならなくなるでしょう。 |
優れた収納性 | 三つ折りにできるため、使わない時は比較的コンパクトに収納できます。走行中は畳んでラゲッジスペースに積んでおき、就寝時にさっと広げる、という運用が可能です。 |
圧倒的なコストパフォーマンス | アウトドアブランドの車中泊専用マットと比較して、半額以下、場合によっては3分の1程度の非常にリーズナブルな価格で購入できます。 |
実際に多くのヴォクシーユーザーがニトリのマットレスを愛用しています。「夫婦と小学生の子ども2人なら、セミダブル1枚で十分快適に寝られる」という声も多いですね。まずはここから始めてみる、という方には最適な選択肢です。
使用上の注意点:湿気対策は必須!
非常に快適なニトリのマットレスですが、家庭用であるがゆえの注意点があります。それは湿気対策です。
通気性が考慮されていないため、人の寝汗や内外の温度差による結露で、マットレスの裏側がびっしょりと濡れてしまうことがあります。これを放置するとカビの原因となり、衛生的にも問題です。
対策として、使用後は定期的に自宅で壁に立てかけるなどして乾燥させたり、マットレスの下に除湿シートやすのこを敷いたりといった工夫をおすすめします。
車中泊を快適にするならベッドキットの導入を

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DIYの手間をかけず、かつ究極の寝心地と利便性を求めるのであれば、市販の車種専用ベッドキットの導入が最もスマートで最適な解決策となります。ベッドキットとは、ヴォクシーの室内形状に合わせて専用設計された、組み立て式のベッドフレームとマットレスのセットです。
ベッドキットを導入する最大のメリットは、誰でも工具不要で、短時間のうちに完全にフラットで広々としたベッドスペースを作り出せる点にあります。
シートの凹凸に悩まされることは一切なくなり、まるで自宅のベッドで寝ているかのような、ストレスフリーな睡眠環境が手に入ります。
ベッドキットがもたらす3つの大きなメリット
特長 | 詳細 |
---|---|
完璧なフラット空間 | 車種専用設計のため、室内の凹凸や湾曲に合わせて作られており、隙間なく完璧な平面が生まれます。寝心地はマットのみの場合とは比較になりません。 |
簡単な設置・撤収 | 多くの製品が工具不要で、慣れれば5分から10分程度で組み立て・分解が可能です。到着後すぐにくつろぎ、出発時もスムーズに片付けられます。 |
広大な収納スペース | ベッドのフレーム下(高さ30cm前後)がまるごと巨大な収納スペースになります。荷物の多いキャンプや長期旅行で絶大な効果を発揮し、車内を整理整頓できます。 |
注意点:デメリットも考慮しよう
一方で、もちろんデメリットも存在します。最も大きなハードルは価格で、品質の高いものでは10万円から20万円以上することもあり、大きな初期投資となります。
また、分割式とはいえそれなりに重量もかさばるため、車中泊をしない時に自宅で保管しておくためのまとまったスペースが必要になる点も考慮しなければなりません。
後悔しないためのベッドキット選びの3つのポイント
チェック項目 | 確認するポイント |
---|---|
マットの材質と厚み | 寝心地に直結する最重要パーツです。クッション性の高い高密度ウレタンか、チップウレタンか、またその厚みが十分かを確認しましょう。 |
フレームの材質と耐荷重 | フレームはスチール製か木製が主流です。大人が乗ってもきしまないか、耐荷重が十分かを必ずチェックします。 |
表皮(レザー or ファブリック) | 汚れに強く手入れが簡単なPVCレザーか、肌触りが良く夏場のベタつきや冬場の冷たさが少ないファブリック素材か、好みや用途に合わせて選びます。 |
車中泊を頻繁に行い、旅先での睡眠の質に徹底的にこだわりたい方にとっては、ベッドキットへの投資は価格以上の満足感と快適性をもたらしてくれるでしょう。
必須のプライバシー保護グッズ

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快適な寝床を確保しても、サービスエリアの煌々とした照明や、隣に停まった車のヘッドライト、そして外からの視線が気になっては安心して眠れません。防犯、プライバシー確保、そして安眠のために、窓を完全に覆うグッズは絶対に欠かせない必須装備です。
主に、取り付け方法や特徴が異なる2つの選択肢があります。
タイプ1:車種専用サンシェード
ヴォクシーの全ての窓(フロント、運転席・助手席、スライドドア、リアクォーター、バックドア)の形状にぴったり合うようにカットされたシェードのセットです。多くは黒いキルティング素材などで作られており、断熱性にも優れています。
- メリット:取り付けが吸盤やマグネットで非常に簡単。遮光性が極めて高く、光をほぼ完全にシャットアウトできる。車種専用なのでフィット感が抜群で隙間ができにくい。断熱・保温効果も高い。
- デメリット:カーテンに比べて収納時にかさばる(丸めたり畳んだりして専用ケースに入れる)。価格が比較的高め。
タイプ2:室内カーテン
車の窓枠に金属製や樹脂製のレールを取り付け、家庭用と同じように吊り下げるカーテンです。一度設置してしまえば、開け閉めが非常にスムーズに行えます。
- メリット:開閉が楽で、就寝時以外でも日除けとして手軽に使える。プライバシーを確保しつつ、少しだけ窓を開けて換気したい場合などに便利。
- デメリット:レールの取り付けに手間がかかる。サンシェードに比べて、レールとカーテンの間に隙間ができやすく、遮光性や断熱性がやや劣る場合がある。
どちらを選ぶべきか? - 用途に合わせた最適な選択
「車中泊の時だけ使い、普段は外しておきたい」「とにかく遮光性と断熱性を重視したい」という方ならサンシェードが最適です。一方で、「日常的に車内に設置しておき、日除けとしても頻繁に使いたい」「就寝・起床時の開け閉めの手軽さを重視したい」という方にはカーテンがおすすめです。
トヨタの純正アクセサリーとしても両方用意されていますが、より安価な社外品もカー用品店やインターネットで多数販売されています。ご自身の予算と使い方に合わせて、最適なものを選びましょう。
これらのアイテムは、夏の日差しによる車内温度の急激な上昇や、冬の窓からの強烈な冷気を遮断する効果もあり、次項で解説する気温対策にも繋がる、まさに一石二鳥の重要な役割を果たします。
忘れてはいけない気温対策グッズ

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エンジンを停止した車内は、断熱材の入った家とは違い、まさに「外」そのものです。夏の夜はサウナのような熱帯夜に、冬の夜は冷凍庫のような極寒地獄と化してしまいます。安全で快適な車中泊のためには、季節に応じた気温対策が何よりも重要です。
夏の暑さ対策
夏の車中泊で最も注意すべきは、熱中症です。JAFのテストによれば、外気温が35℃の炎天下に駐車した車内は、わずか1時間で50℃近くまで上昇します(参照:JAF公式サイト)。
夜間であっても、無対策の車内は非常に危険です。まず大前提として、平地の市街地などでの夏の車中泊は避け、できるだけ標高の高い涼しい場所(RVパークやオートキャンプ場など)を選ぶことが重要です。その上で、以下の対策は必須となります。
対策アイテム | 効果・ポイント |
---|---|
ポータブル電源 + 扇風機 | 現代の夏の車中泊における最適解です。特にUSB扇風機は消費電力も少なく、一晩中体に風を当てることで気化熱を促し、睡眠を助けてくれます。 |
ウィンドウネット(網戸) | スライドドアの窓などに被せるだけで網戸になる優れもの。窓を開けたまま虫の侵入を気にせず外気を取り込めるため、風が通るだけで体感温度は大きく変わります。 |
冷感敷きパッド・タオル | ニトリの「Nクール」シリーズなどが有名です。寝転んだ時のひんやりとした感触が、寝苦しい夜の入眠を助けてくれます。 |
熱中症に厳重注意
少しでも体調に異変を感じたら、ためらわずにエンジンをかけてエアコンを使用してください。環境省の熱中症予防情報サイトでも注意喚起されている通り、こまめな水分補給も絶対に忘れないでください。
冬の寒さ対策
冬は寒さによる低体温症や凍結に注意が必要です。特に窓ガラスからの強烈な冷気は、車内の温度をどんどん奪っていきます。寝具と電源の確保が快適性の鍵を握ります。
対策アイテム | 効果・ポイント |
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冬用シュラフ(寝袋) | 車中泊といえど、冬はアウトドア用のしっかりとした寝袋が安心です。快適使用温度が0℃以下に対応した「マミー型」のものが保温性に優れています。 |
ポータブル電源 + 電気毛布 | これが冬の車中泊の「三種の神器」の一つです。消費電力は大きいですが、これ一枚あるだけで驚くほど暖かく、快適に眠れます。冬の満足度を劇的に向上させます。 |
徹底した窓の断熱 | 前述のサンシェードは断熱にも非常に効果的です。さらに、市販の銀マット(キャンプ用マット)を窓の形にカットしてはめ込むと、断熱層が加わり効果が高まります。 |
ここで大活躍するのが、ヴォクシーのハイブリッド車にオプションで設定されている「アクセサリーコンセント(AC100V・1500W)」です。これがあれば、高価な大容量ポータブル電源がなくても、家庭用の電気毛布や電気ケトル、さらにはドライヤーといった消費電力の大きな家電製品が使えます。
まさに「走る電源」。これは車中泊において絶大なアドバンテージになりますよ!(参照:トヨタ自動車公式サイト)
ヴォクシーで車中泊!4人でも快適に泊まるためのポイント
この記事では、ヴォクシーで4人家族が快適に車中泊を実現するための、具体的な準備、工夫、そして便利なアイテムについて詳しく解説しました。
最後に、今回の内容から見えてきた「成功のための重要なポイント」をリスト形式でまとめます。これらの要点を押さえることで、あなたのヴォクシーは最高の「移動できる秘密基地」になるはずです。
- ヴォクシーは正しい知識と工夫次第で4人での快適な車中泊が可能
- フラット化のしやすさでは8人乗り、普段使いの快適性では7人乗りにそれぞれ利点がある
- 安全と快適のため、就寝人数は大人2人・子ども2人の合計4人が現実的な上限
- 家族での就寝は2・3列目を使った「リアフラットソファモード」が基本スタイルになる
- 快適な睡眠のためにはシートの凹凸や隙間を埋める「段差解消」が最重要課題
- 段差解消には厚さ8cm以上のインフレーターマットや高反発マットレスが最も効果的
- ニトリの三つ折りマットレスは圧倒的なコストパフォーマンスで非常におすすめ
- 究極の寝心地と収納力を求めるなら車種専用のベッドキットが最適な選択肢
- ベッドキットは完璧なフラット空間と広大なベッド下収納スペースを提供してくれる
- プライバシー確保、防犯、安眠、そして断熱のためにサンシェードやカーテンは必須装備
- 夏の熱中症対策にはポータブル電源と扇風機、ウィンドウネットが有効
- 冬の寒さ対策には電気毛布や冬用寝袋、そして徹底した窓の断熱が欠かせない
- ハイブリッド車の1500Wアクセサリーコンセントは車中泊の快適性を劇的に向上させる