
車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
「軽自動車とは思えない広さ」が自慢のダイハツ・ウェイクは、そのユニークなパッケージングで多くのアウトドア愛好家から支持されています。広大な室内空間を活かして、自由気ままな車中泊の旅に出たいと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざシートを倒して寝床を確保しようとすると、「想像以上に段差が大きく、快適に眠れない…」という現実に直面することが少なくありません。
この記事では、ウェイクの車中泊で多くの人が悩むシートの段差問題に徹底的に向き合い、その解決策を網羅的に解説します。
フルフラットのやり方から、マットや便利な車中泊グッズを活用した手軽な対策、さらには車内の改造やベッドキットの自作といった本格的なDIYまで、あらゆるアプローチを紹介します。
大人2人での利用シーンを想定した工夫や、プライバシー確保に不可欠なカーテン選びのコツも含め、あなたのウェイクでの車中泊を、ただの宿泊から「最高の体験」へと昇華させるための情報をお届けします。
記事のポイント
- ウェイクのシートをフルフラットにする際の具体的な段差
- 市販のマットや便利グッズを使った簡単かつ効果的な段差解消法
- DIYやシート改造による、より本格的で快適なフラット化の方法
- 大人2人での車中泊をストレスなく楽しむための空間活用の工夫
ウェイクの車中泊における段差とは?居住性について解説

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- シートのフルフラット化のやり方と注意点
- 段差を埋めるおすすめの車中泊マット
- ウェイクにおすすめな車中泊グッズ
- 2人でも快適に過ごすレイアウト術
- プライバシーを守るカーテンの選び方
シートのフルフラット化のやり方と注意点

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ウェイクでの車中泊を始める第一歩は、シートアレンジを駆使して就寝スペースを作り出す「フルフラット化」です。ウェイクには多彩なシートアレンジ機能が備わっており、車中泊では主に「フルフラットモード」が用いられます。
このモードにすることで、車内に広大なスペースが出現しますが、その名前とは裏腹に、決して「完全に平ら(フラット)」な状態にはならないという事実をまず理解しておくことが、快適な車中泊へのスタートラインとなります。
フルフラットモードの具体的な手順
ウェイクのフルフラットモードの作り方は、非常にシンプルです。以下の手順に従うことで、誰でも簡単に広大な空間を確保できます。
- 運転席と助手席のヘッドレストを取り外す
- 前席(運転席・助手席)のシートを最も前方にスライドさせる
- 前席の背もたれ(リクライニング)を後方へ完全に倒しきる
- 後部座席を最も後方までスライドさせる
この操作により、後部座席の座面と、後方へ倒された前席の背もたれが連結し、足を伸ばして横になれるスペースが生まれます。しかし、この状態を詳しく観察すると、快適な睡眠を妨げるいくつかの段差や隙間、硬い部分が存在することに気づくでしょう。
発生箇所 | 身体への影響と注意点 |
---|---|
前席と後席のつなぎ目部分 | 最も大きな段差が発生しやすい箇所です。寝た時にちょうど腰や背中の中央あたりに来ることが多く、不自然な姿勢を強制されるため、腰痛の原因となる可能性があります。 |
シートそのものの凹凸 | 乗員の体を支えるために設計されたシートの形状(サイドサポートの盛り上がりなど)が、横になった際には不快な凹凸として体に当たります。 |
シートベルトのバックル周辺 | プラスチック製の硬いバックルが体に直接当たることもあり、寝返りを打った際に痛みを感じることがあります。 |
これらの段差を軽視し、薄いブランケット一枚で寝てしまうと、体は常に不快な凹凸を避けようとして緊張状態が続きます。結果として、せっかくの旅先で熟睡できず、翌日に疲れを持ち越してしまうことになりかねません。
快適な車中泊を実現するためには、これらの段差をいかにして無力化するかが、最も重要な課題となるのです。
段差を埋めるおすすめの車中泊マット
シートアレンジによって生じる段差を、最も手軽かつ効果的に解消する方法は、厚みのある車中泊専用マットを使用することです。優れたクッション性と反発力を持つマットが、シートのあらゆる凹凸を吸収し、まるで自宅のベッドのような快適な寝心地を提供してくれます。
車中泊マットには様々な種類が存在しますが、特にウェイクのような段差が大きい車種での利用におすすめなのは、以下の2つのタイプです。それぞれの特徴を理解し、ご自身のスタイルに合ったものを選びましょう。
インフレーターマット(自動膨張式)
収納袋から出してバルブを開くだけで、内部のウレタンフォームの復元力によって自動的に空気が入り、膨らむタイプのマットです。設営・撤収の手間がほとんどかからない手軽さが最大の魅力です。
さらに、空気の注入量を調整することで、寝心地の硬さを自分好みに微調整できる点も高く評価されています。ウェイクの段差をしっかりと吸収するためには、厚みが最低でも8cm、できれば10cm以上のモデルを選ぶことを推奨します。
厚みがあればあるほど、地面からの冷気や熱気を遮断する断熱効果も高まります。
高反発ウレタンマット
キャンプ用ではなく、車中泊専用として設計されていることも多い、高密度のウレタンフォームを使用したマットです。適度な硬さがあるため体が沈み込みすぎず、寝返りが非常に打ちやすいのが特徴です。
寝心地は家庭用のマットレスに最も近く、睡眠の質にこだわりたい方に最適です。ただし、素材の特性上、収納時にもある程度の大きさ(ロール状や折りたたみ式)になるため、インフレーターマットと比較して積載スペースを多く必要とします。
購入前には、必ず収納サイズを確認し、ウェイクの荷室に収まるかを確認することが重要です。
「段差解消クッション」の併用で快適性はさらに向上
より完璧なフラット面を追求するなら、マットを敷く前に、シート間の最も大きな隙間や凹みに「段差解消専用クッション」や、家庭用のクッション、畳んだバスタオルなどを詰めることをお勧めします。
この地道な一手間が、マットだけでは吸収しきれない細かな凹凸をなくし、寝心地を引き上げてくれますよ。
「車中泊の際の段差を解消!100均アイテムで快適な寝床を作る方法」では、段差解消の工夫について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
ウェイクにおすすめな車中泊グッズ

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快適な車中泊空間は、良質なマットだけで完成するわけではありません。さまざまな便利グッズを組み合わせることで、車内は単なる寝床から、リラックスできる「移動式のマイルーム」へと進化します。
ここでは、ウェイクのポテンシャルを最大限に引き出す、おすすめの車中泊グッズをご紹介します。
快眠をサポートする寝具類
季節や気温に応じた寝具の選択は、快眠の基本です。春夏秋の3シーズンは汎用性の高いシュラフ(寝袋)があれば十分ですが、冬場の車中泊では寒さ対策が必須となります。
ポータブル電源と電気毛布の組み合わせは、もはや冬の車中泊の定番であり、驚くほど快適な夜を約束してくれます。
また、意外と見落としがちなのが枕の存在です。衣類を丸めて代用するのも一つの手ですが、普段から愛用している枕を一つ持ち込むだけで、安心感が格段に増し、スムーズな入眠につながります。
車内での生活を豊かにするアイテム
ウェイクは助手席の背もたれを前方に倒すと、簡易的なテーブルとして利用できるユニークな機能を備えています。
これに加えて、小型の折りたたみテーブルや、天板がフラットなクーラーボックスを用意すると、食事やPC作業のスペースが格段に広がります。
クーラーボックスは食材や飲み物を保冷する本来の役割に加え、スツール(椅子)やサイドテーブルとしても活躍する一石三鳥の便利アイテムです。
空間を最大限に活用する収納グッズ
ウェイクの最大の武器である軽自動車トップクラスの室内高(1,455mm)を活かさない手はありません。工夫次第で、驚くほどの収納スペースを生み出すことができます。
グッズ名 | 主な用途とメリット |
---|---|
押入れ用伸縮ラック | 荷室に設置することで、空間を上下に二分割し、収納効率を倍増させます。荷物の整理がしやすくなるだけでなく、下の荷物が重みで潰れるのを防ぎます。 |
天井ネット(ルーフネット) | アシストグリップなどを利用して天井に設置するネットです。ブランケットや脱いだ上着など、軽くてかさばる物の収納に最適で、デッドスペースを巧みに活用できます。 |
吊り下げ式ウォールポケット | シートの背面などに取り付けることで、スマートフォンや鍵、ウェットティッシュといった散らばりがちな小物をスマートに整理できます。 |
これらのグッズを戦略的に配置することで、限られた車内空間でも、すっきりと整理された快適な生活空間を維持することが可能になります。
2人でも快適に過ごすレイアウト術

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「軽自動車で大人2人の車中泊は厳しいのでは?」と思われるかもしれませんが、広大な室内空間を持つウェイクなら、レイアウトと荷物管理を工夫することで、大人2人でも十分に快適な車中泊が可能です。
ストレスなく過ごすためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
まず、就寝スペースの確保についてですが、フルフラットにした状態で大人2人が並んで横になることは物理的に可能です。しかし、肩が触れ合う程度の幅であるため、お互いの寝返りなどで睡眠が妨げられる可能性もあります。
対策として、寝る向きを互い違いにする(一人が頭を前に、もう一人が頭を後ろにする)と、肩周りのスペースに余裕が生まれます。また、寝袋に入ることで、お互いのパーソナルスペースを確保しやすくなります。
そして、2人での車中泊で最も重要な課題が荷物の管理です。就寝時には、2人分の荷物を効率的に配置し、寝床を最大限に広く保つ必要があります。
ポイント
荷物整理の鍵を握るのが、ウェイク自慢の大容量アンダートランク(荷室床下収納)です!その容量はなんと約90Lもあり、2人分の着替えや洗面用具、調理器具などをまとめて収納できます。
ここに荷物を集約させることで、車内の生活空間を劇的に広げることができますよ。
アンダートランクに入りきらない荷物は、運転席や助手席の足元、ダッシュボードの上などをフル活用して配置します。それでもスペースが足りない場合は、ルーフキャリアを取り付けてルーフボックスやルーフバッグを活用するのも非常に有効な手段です。
車内にどれだけ広く快適な「生活空間」を確保できるかが、2人での車中泊を成功へと導く鍵となります。
プライバシーを守るカーテンの選び方

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車中泊において、外からの視線や街灯などの光を遮断するための目隠しは、快適な睡眠と防犯のために絶対に欠かせない必須装備です。安心して体を休めるプライベート空間を確保するために、ご自身の使い方に合った目隠しを選びましょう。
主な選択肢として「車種専用サンシェード」と「汎用カーテン」の2つがあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
車種専用サンシェード |
|
|
汎用カーテン |
|
|
どちらが良いかは一概には言えませんが、手軽さと機能性を最優先するならば、車種専用サンシェードが最も確実な選択肢です。特にキルティング加工された厚手のものは断熱性が高く、車内の温度変化を和らげる効果も期待できます。
一方で、コストを抑えつつ自分好みの空間をDIYで作り上げたいという方には、汎用カーテンが魅力的です。突っ張り棒やワイヤー、園芸用のトレリスなどを活用して、オリジナルのカーテンレールを自作するのも車中泊の楽しみの一つです。
どちらの方法を選ぶにせよ、就寝前には必ず全ての窓を隙間なく覆い、外部から車内の様子が窺えない状態にすることが、安心して夜を過ごすための鉄則です。
「車中泊の目隠しはニトリで代用可能!おすすめ商品やDIYの方法を徹底解説」では、車の目隠しをコスパ良く行う方法について解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
ウェイクで車中泊 | 段差を解消して快適に過ごす工夫

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- 車内の改造で快適化を目指す
- オリジナルのベッドキットを自作する手順
- 収納スペースを増やすDIYアイデア
- ポータブル電源で電力を確保しよう
- 照明を追加して夜の車内を明るくする工夫
- ウェイクで車中泊!段差問題を賢く解決
車内の改造で快適化を目指す

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市販のマットやグッズを駆使してもなお、シートの段差に満足できない。より完璧な、究極のフラット空間を追求したい——。そんなヘビーユーザーの間で密かに行われているのが、シートのリクライニング機構そのものを改造するというアプローチです。
この方法は、後部座席のリクライニング可動域を制限している物理的なストッパーを取り除くことで、標準状態では絶対に不可能な角度まで背もたれを倒せるようにするもので、愛好家の間では「スーパーフラットモード」と呼ばれています。
この改造を施すことで、後部座席の背もたれが荷室の床面とほぼ同じ高さまで倒れ込むようになり、車中泊における最大の難所であった前席と後席のつなぎ目の大きな段差が、劇的に解消されます。
結果として、車内には広大でほぼ完全なフラットスペースが生まれ、マット一枚で極上の寝心地を得ることも可能になります。
【最重要】シートの改造は全て自己責任です
シートの構造部品に手を加える行為は、メーカーが一切想定していない危険な行為です。衝突時の乗員保護性能など、車両の安全性を著しく損なう可能性があります。
また、改造が原因で発生した車両の故障や事故については、当然ながらメーカー保証の対象外となります。この記事は改造を推奨するものではありません。
もし実施する場合は、これらの重大なリスクをすべて理解し、ご自身の責任において、細心の注意を払って行ってください。
具体的な改造方法は、後部座席の側面にあるリクライニング機構の内部に存在する、背もたれの可動域を物理的に制限している金属製のストッパー(突起)を、工具を使って削り取る、あるいは切断するというものです。
作業には、リクライニング機構のカバーを外し、内部構造にアクセスする必要があります。使用する工具は、金属用ののこぎりである「金のこ」や、電動の「ディスクグラインダー」などが一般的です。
成功すれば、体に触れる面がすべてクッション性の高いシートの表面となり、寝心地は飛躍的に向上します。しかし、前述の通り、この方法は車両の安全性を根本から変えてしまう可能性のある、非常にリスクの高い行為であることを決して忘れないでください。
オリジナルのベッドキットを自作する手順

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シート改造のリスクを避けつつ、快適な寝床と絶大な収納力を両立させたい方に最適な解決策が、ベッドキットの自作(DIY)です。
自分の手でウェイクの車内形状に合わせたオーダーメイドのベッドを作り上げることで、市販品では得られない満足感と、完全にフラットな就寝スペースを手に入れることができます。
専門的な知識や高価な工具がなくても、ホームセンターで手に入る一般的な材料で製作することが可能です。ここでは、最もポピュラーな「イレクターパイプ」と木板を使った製作手順を紹介します。
1. 綿密な設計
全ての基本となるのが設計です。まず、メジャーを使ってウェイクの荷室や後部座席を倒した際のスペースの寸法(幅、奥行き、高さ)をミリ単位で正確に測定します。
次に、ベッドの高さをどのくらいにするか(下に収納したい物の高さを考慮する)、天板を分割式にして収納しやすくするかなどを決め、簡単なもので良いので設計図を描きます。
2. 骨組み(フレーム)の製作
設計図に基づき、骨組みを作ります。初心者の方に最もおすすめなのが、スチールパイプにプラスチックをコーティングした「イレクターパイプ」です。
パイプカッターで簡単に好みの長さに切れ、豊富な種類のプラスチック製ジョイントパーツを手で差し込むだけで、溶接やネジ止めなしに頑丈なフレームを組むことができます。(出典:矢崎化工株式会社 イレクターとは?)
3. 天板の設置と固定
組み上げたフレームの上に、天板となる板を設置します。一般的には、強度と価格のバランスが良い厚さ12mm程度の構造用合板(コンパネ)が使用されます。
天板はフレームにパイプ用のサドルバンドやビスを使ってしっかりと固定します。2分割や3分割にすることで、設置や撤収が容易になります。
4. 快適性の向上(仕上げ)
天板の上に、クッション材となるキャンプ用の銀マットやウレタンマットなどを敷き、その上からお好みの生地(PVCレザーや厚手の布など)を、建築用の強力なホッチキスである「タッカー」を使って裏側で固定します。
この仕上げ作業を行うことで、見た目も寝心地も格段に向上します。
自作ベッドキットがもたらす最大の恩恵は、ベッド下に生まれる巨大な収納スペースです。
キャンプ道具や釣り道具、クーラーボックスといったかさばる荷物を全てベッド下に格納できるため、車内空間(ベッドの上)を常に広々と、整理された状態で保つことが可能になります。
「イレクターパイプで車中泊ベッドを自作!設計から完成までの完全ガイド」でも、ベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
収納スペースを増やすDIYアイデア

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本格的なベッドキットの自作はハードルが高いと感じる方でも、簡単なDIYを加えるだけで、ウェイクの収納能力を飛躍的に向上させることができます。
その鍵は、通常はデッドスペースとなっている「天井」や「側面」の空間をいかに有効活用するかにあります。
天井空間を最大限に活用する
ウェイクの高い天井は、まさに「空中の収納庫」です。後部座席の左右にあるアシストグリップや、ユーティリティフックなどを基点として、カー用品店で販売されているサイドバー(アシストグリップ用のバー)を渡します。
このバーを土台として、その上に荷崩れ防止用のルーフネットを張ったり、軽量なメッシュパネルを載せたりすれば、あっという間に大容量の天井収納が完成します。
ブランケットやシュラフ、上着など、軽くてかさばる物の収納に最適です。走行中に落下しないよう、荷物はしっかりと固定しましょう。
荷室を立体的に活用する
荷室の荷物を平置きすると、どうしても下の物が取り出しにくくなります。この問題を解決するのが、ホームセンターなどで安価に手に入る伸縮式の押入れラックです。
ウェイクの荷室幅に合わせてサイズを調整し、設置するだけで、荷室を上下二段の立体的な収納スペースに変えることができます。
これにより、荷物の整理が格段にしやすくなる上、調理器具などの重いものを下に、食材や衣類などの軽いものを上に置くといった効率的な積載が可能になります。
安定性を高めるため、走行中はラックが動かないように、ロープやゴムバンドで車体に固定することをおすすめします。
100円ショップで手に入るS字フックや、シートの背面に取り付けるウォールポケット、吸盤式のフックなども非常に有効です。小物を定位置に収納する習慣をつけるだけで、車内は驚くほどすっきりとします。
小さな工夫の積み重ねが、快適な車中泊空間を生み出すのです。
ポータブル電源で電力を確保しよう

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車中泊の快適性を引き上げてくれる魔法のアイテムがポータブル電源です。公共の駐車場やキャンプ場など、エンジンを停止するのがマナーである車中泊において、ポータブル電源があれば、ACコンセントやUSBポートから自由に電力を得ることができます。
これにより、スマートフォンの充電はもちろん、ノートパソコンでの作業、夏場の扇風機、冬場の電気毛布、さらには小型の電気ケトルや炊飯器まで、使える電化製品の幅が大きく広がります。
ポータブル電源を選ぶ上で最も重要な指標は「容量」で、これはWh(ワットアワー)という単位で示されます。これは「1時間に使える電力量」を表し、数値が大きいほど長時間、あるいは消費電力の大きい製品を使えます。
当然、容量が大きくなるにつれて価格も本体サイズも大きく重くなるため、ご自身の車中泊スタイルに合わせて過不足のない容量を選ぶことが重要です。
自分の使い方に合う容量は?
一概には言えませんが、一般的な一泊二日の車中泊で「スマートフォンを2台フル充電し、冬場に電気毛布(消費電力約50W)を弱設定で一晩(約8時間)使用する」といったシナリオを想定した場合、必要な電力量の目安は400Wh~500Wh程度となります。
これに加えて、LEDランタンの充電や小型扇風機の使用も考えるなら、500Wh~700Wh程度の容量があると安心です。
まずはご自身が車内で使いたい電化製品の消費電力(W)と使用時間(h)をリストアップしてみることをお勧めします。
旅先でのポータブル電源の充電方法
連泊する際には、ポータブル電源自体を充電する必要が出てきます。その主な方法は以下の3つです。
充電方法 | 特徴とポイント |
---|---|
1. ACコンセント | RVパークやAC電源付きのキャンプサイトなどを利用し、家庭用コンセントから充電する方法。最も速く、かつ安定して満充電にできる確実な手段です。 |
2. 走行充電(シガーソケット) | 車のシガーソケットに専用のカーチャージャーを接続して充電する方法。充電速度は遅い傾向にありますが、次の目的地への移動時間を有効活用して少しでも電力を回復させられる貴重な手段です。 |
3. ソーラーパネル充電 | 別売りの折りたたみ式ソーラーパネルを接続し、太陽光で充電する方法。駐車中や休憩中に、環境に優しく電力を生み出せます。ただし、発電量は天候に大きく左右されるため、主力というよりは補助的な充電方法と考えるのが良いでしょう。 |
ポータブル電源は、車中泊の質を向上させるだけでなく、災害時にも役立つ非常に価値のある投資です。
「車中泊でポータブル電源はいらない?後悔しない選び方と代替案を解説」では、失敗しないポータブル電源の選び方について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
照明を追加して夜の車内を明るくする工夫

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日が暮れてから就寝するまでの間、車内で食事をしたり、読書をしたり、あるいは翌日の計画を立てたりと、夜の時間は意外と長いものです。この時間を快適に過ごすためには、適切な照明の確保が不可欠です。
車の室内灯(ルームランプ)は、短時間の利用を想定しているため光量が十分ではなく、長時間点灯させるとバッテリー上がりのリスクが常に伴います。
そのため、車のバッテリーとは独立した、外部バッテリー式の照明器具を用意することを強く推奨します。近年の主流は、言うまでもなく明るくて省電力、そして長寿命なLEDタイプの照明です。充電式や乾電池式のものが豊富にあり、用途に合わせて選ぶことができます。
車中泊におすすめの照明タイプ
照明タイプ | 特徴とおすすめの活用法 |
---|---|
LEDランタン | 最も手軽で汎用性が高い、車中泊照明の王道です。テーブルの上に置くだけでなく、フックを使って天井から吊るすこともできます。光の色を白色から暖色に切り替えられるモデルや、明るさを無段階に調整できるモデルを選ぶと、食事の時は明るい白色、リラックスタイムは落ち着いた暖色、といったように雰囲気を変えることができ、QOL(生活の質)が向上します。 |
LEDバーライト | 細長い形状で、広範囲を均一にムラなく照らすのに適しています。本体にマグネットが内蔵されているモデルが多く、ウェイクの天井や側面の金属部分に直接貼り付けて固定できるため、設置が非常にスマートです。USB給電タイプの製品が多いため、ポータブル電源との連携も容易です。 |
理想的なのは、これらの照明を複数組み合わせることです。例えば、メインの照明として車内全体を照らすバーライトを設置し、読書など手元を照らしたい時にはサブのランタンを使う、といった具合です。
適切な「あかり」のプランニングは、夜の車内を単なる暗い箱から、温かく居心地の良いリビングルームへと変えてくれます。
ウェイクで車中泊!段差問題を賢く解決
この記事では、ダイハツ・ウェイクでの車中泊における最大の課題である「シートの段差」を解消するための様々な方法について、基本的な知識からDIYによる応用テクニックまで、深く掘り下げて解説しました。
最後に、快適なウェイク車中泊を実現するための重要なポイントをリスト形式で再確認しましょう。
- ウェイクの公式フルフラットモードには、快適な睡眠を妨げる段差が確実に残る
- 段差を手軽に解消する最も確実な方法は、厚みのある車中泊専用マットの導入である
- マットの厚みは最低8cm、理想を言えば10cm以上あると安心感が高い
- 大きな凹みには段差解消クッションなどを併用することで、より完璧なフラット面に近づく
- シュラフや電気毛布、使い慣れた枕といった寝具へのこだわりが睡眠の質を左右する
- プライバシーの確保と防犯、安眠のためにカーテンやシェードは絶対に欠かせない
- 機能性を最優先するなら、窓に隙間なくフィットする車種専用サンシェードが最適である
- 究極のフラット化を目指すならシート改造という手段もあるが、安全性に関わるため全て自己責任となる
- ベッドキットの自作は、完全な寝床と広大な収納スペースを両立できる最良の選択肢の一つである
- イレクターパイプなどを使えば、専門知識がなくても比較的簡単にベッドキットは自作可能
- 天井や荷室のデッドスペースをDIYで収納化することで、車内空間の使い勝手は飛躍的に向上する
- ポータブル電源は、現代的な快適な車中泊を実現するための必須アイテムと言える
- LEDランタンやバーライトなど、車のバッテリーに頼らない独立した照明を用意することが重要
- 一つの方法に固執せず、自分に合った対策を組み合わせることが成功の鍵
- これらの工夫を凝らし、ウェイクのポテンシャルを最大限に引き出して最高の車中泊を楽しもう