
車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
ファミリーカーや通勤車として絶大な人気を誇るホンダ「N-BOX」。その広々とした室内空間を活かして、「2人で車中泊の旅に出てみたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、軽自動車で2人寝泊まりするとなると、「本当に快適なの?」「何から準備すればいいの?」といった疑問や不安がつきものです。実際のところ、N-BOXは、適切な準備と少しの工夫で、2人でも驚くほど快適な車中泊が可能な車です。
この記事では、N-BOXが車中泊におすすめな理由を徹底的に掘り下げるところから始め、寝心地を左右する段差解消やフルフラットの具体的なやり方、ニトリの人気マットやこだわりのベッド自作、便利な車中泊キットの選び方まで、あらゆる選択肢を網羅して詳しく解説します。
さらに、より本格的なキャンピングカーへの改造アイデアから、安全に楽しむために絶対に知っておくべき注意点まで、N-BOXでの車中泊を成功に導くための情報をすべて詰め込みました。
この記事を読めば、N-BOXでの2人車中泊に関するあらゆる疑問が解消され、最高の旅に出る準備が整うはずです。
記事のポイント
- N-BOXが2人での車中泊に最適な理由と具体的なスペック
- シートの段差を完全になくし、快適な寝床を作るための全手法
- 市販品からDIYまで、予算とスタイルに合わせたベッドの選び方
- 車中泊を安全かつ格段に快適にするための必須グッズと重要注意点
目次
N-BOXで車中泊を2人で楽しむための基本情報

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
- N-BOXが車中泊におすすめな理由
- 段差解消してフルフラットにするやり方
- 車中泊用マットはニトリが人気
- こだわりのベッドを自作する方法
- 手軽に設置できる車中泊キット
N-BOXが車中泊におすすめな理由

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
多くの軽自動車がある中で、なぜN-BOXがこれほどまでに車中泊愛好家から支持されるのでしょうか。その理由は、単に「広い」という一言では片付けられません。「居住性」「経済性」「利便性」という、車中泊に求められる三つの要素が極めて高いレベルで融合しているからです。
軽自動車の常識を覆す圧倒的な室内空間
N-BOXの最大の魅力は、軽自動車の規格(全長3.4m以下、全幅1.48m以下)の中に、最大限の空間効率を実現している点です。
ホンダの特許技術である「センタータンクレイアウト」は、通常後席下にある燃料タンクを前席下に配置することで、後部座席から荷室にかけての床を劇的に低くすることに成功しました。
この低床設計と、1,400mm(1.4m)にも達する室内高が相まって、大人2人が車内で着替えたり、座って食事をしたりする際にも窮屈さを感じさせない、驚くほどの開放感を生み出しています。
具体的な室内寸法は、室内長2,240mm × 室内幅1,350mm × 室内高1,400mm(※2代目モデル参考)となっており、数値上でもクラストップレベルの広さを誇ります。この空間効率の高さが、2人分の就寝スペースと荷物スペースを両立させるための絶対的な基盤となっているのです。
多彩なシートアレンジと広大な就寝スペース
N-BOXの真価は、多彩なシートアレンジにあります。特に車中泊で活躍するのが、助手席と後部座席を倒して連結させる「リフレッシュモード」です。
この状態にすると、最長で180cm弱の長さを確保でき、身長175cm程度の方までなら十分に足を伸ばして眠ることが可能です。横幅も大人2人が寝るのに十分なスペースがあります。
さらに、後部座席の座面を跳ね上げる「チップアップ機構」を使えば、背の高い荷物を積むこともでき、荷物の多いアウトドアシーンで非常に役立ちます。これらのシートアレンジを駆使することで、就寝スペースと荷物スペースを状況に応じて柔軟に使い分けることができます。
長旅の味方となる優れた燃費性能
車中泊の旅は、思いのほか長距離を移動することが多くなります。そのため、ガソリン代を抑えられる燃費性能は非常に重要な要素です。
N-BOXのカタログ燃費(WLTCモード)は、21.6km/Lと非常に優秀。実燃費でもリッターあたり15km~20km程度を期待できるため、旅のコストを大幅に削減できます。
経済的な負担が少ないからこそ、気ままに寄り道をしたり、旅先での食事やアクティビティにお金を使ったりと、旅そのものをより豊かに楽しむことができるのです。
段差解消してフルフラットにするやり方

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
N-BOXで快適な車中泊を実現するための最初の、そして最も重要なステップが「完全なフラット空間を作り出すこと」です。
前述の通り、シートを倒すだけではどうしても凹凸(段差)や隙間が発生し、これが快眠を妨げる最大の要因となります。具体的には、以下のような箇所に段差が生まれます。
- 前席の背もたれと後席座面の境界部分:最も大きな段差(約10cm~13cm)が発生しやすい箇所。
- シートベルトのバックル部分:硬い突起が体に当たって痛みの原因に。
- 左右のシート間の隙間:物が落ちたり、体がはまったりして寝心地が悪い。
これらの問題を解決し、文字通り「フラット」な寝床を作るための具体的な方法を解説します。
方法1:身近な物で埋める最も手軽な方法
最も手軽でコストがかからないのが、家にあるクッションや座布団、折りたたんだバスタオルや毛布などを段差に詰め込む方法です。
ポイントは、ただ置くのではなく、段差の高さに合わせて畳み方や重ね方を調整し、硬さを均一にすること。特に腰や背中が当たる部分を重点的に埋めると効果的です。
車中泊で使わない衣類を大きめのビニール袋やスタッフバッグに詰めて、即席のクッションとして活用すれば、荷物を増やすことなく段差を解消できます。
ポイント
この方法のメリットは手軽さですが、デメリットは走行中にズレやすく、毎回セッティングに手間がかかる点です。まずはこの方法で試し、より快適さを求めたくなった時に次のステップに進むのが良いでしょう。
方法2:専用品や自作クッションで完璧を目指す
より安定した寝心地を求めるなら、市販の段差解消マット(クッション)を利用するのがおすすめです。
車種専用に設計されたものもあれば、汎用のブロックタイプもあります。空気で膨らませるエアクッションタイプは、使わない時にコンパクトになるので便利です。
さらにこだわりたい方は、クッションの自作にも挑戦してみましょう。
ホームセンターでウレタンフォームを購入し、段差の形状に合わせてカッターで切り出します。型取りには、段差に押し付けて形を写せるメラミンスポンジが役立ちます。切り出したウレタンに、車の内装に合わせた布でカバーを自作すれば、見た目も機能性も完璧なオリジナル段差解消クッションの完成です。
「車中泊の際の段差を解消!100均アイテムで快適な寝床を作る方法」では、段差解消の工夫について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
車中泊用マットはニトリが人気

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
段差を完璧に解消したら、その上にマットレスを敷くことで、寝心地は劇的に向上します。
様々なマットがある中で、車中泊ユーザーから絶大な支持を得ているのが「ニトリ」のマットレスです。「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズ通り、その理由は圧倒的なコストパフォーマンスと、ユーザーのニーズに応える豊富なラインナップにあります。
ニトリ製マットが選ばれる理由
- 手頃な価格:本格的なマットレスが数千円から手に入り、気軽に試せる。
- 豊富な品揃え:厚さ、硬さ、素材、サイズが多様で、最適な一枚が見つかる。
- 店舗での確認可能:全国の店舗で実際に寝心地を試してから購入できる安心感。
ホンダ公式サイトではN-BOXの室内幅を135cmと公表していますが、これは車内の最も広い部分の寸法です。実際にシートを倒して寝床として使える有効な横幅は、実測でおおよそ110cm~120cm程度となります。
このため、ニトリで販売されている「シングルサイズ」のマットレス(幅97cm)を敷くと、左右に少し余裕を持たせつつ、まるで専用品のようにぴったりと収まります。このサイズのマット1枚で、大人2人が就寝するのに十分なスペースを確保できる計算になります。
寝心地と目的に合わせた選び方
ニトリのマットを選ぶ際は、「厚さ」が重要な指標となります。
タイプ | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|
軽量3つ折りマットレス(厚さ4cm) | 約1.75kgと軽量で持ち運びが楽。収納性抜群。ただし、下の硬さをやや感じる。 | 荷物を少しでも減らしたい、収納性を最優先したい方。 |
高反発3つ折りマットレス(厚さ7cm) | 寝心地と収納性のバランスが良い。適度な硬さで体を支え、底付き感も少ない。 | 初めての車中泊用マットで、どれを選べばいいか迷っている方。 |
ソファになるマットレス(厚さ12cm) | 家のベッドと遜色ない快適な寝心地。下の段差は全く気にならない。 | 寝心地を最優先し、最高の睡眠を追求したい方。ただし収納サイズは大きい。 |
ポイント
筆者の経験上、車中泊の満足度は「睡眠の質」で決まると言っても過言ではありません。予算や収納スペースが許すのであれば、少し厚めのマットを選ぶことを強くおすすめします。翌朝の体の楽さが全く違います。
「車中泊の布団選びはニトリが正解!快適睡眠のためのおすすめ商品紹介」では、車中泊におすすめのニトリの寝具について紹介しているので、そちらも参考にしてみてください。
こだわりのベッドを自作する方法

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
既製品では満足できない、自分だけの理想の空間を追求したいという方には、ベッドの自作(DIY)がおすすめです。自分の使い方や体格に合わせてミリ単位で調整できるため、究極のフィット感が得られます。代表的な2つのDIY方法をご紹介します。
方法1:コンパネ(木板)を使った定番DIY
古くから多くの人が実践してきたのが、コンパネ(構造用合板)をホームセンターで購入し、N-BOXの荷室やフルフラット空間のサイズに合わせてカットしてベッドの天板を作る方法です。
- メリット:材料費が比較的安く、加工が容易。
- デメリット:重量があるため、燃費への影響や頻繁な脱着が大変。強度を出すために厚い板を選ぶとさらに重くなる。湿気対策が必要。
製作のポイントは、脚となる部分の設計です。車内の床は平らではないため、脚の長さを細かく調整する必要があります。完成した天板の表面にパンチカーペットや好きな布を貼ると、見た目も良く、荷物の滑り止めにもなります。
方法2:イレクターパイプを使った軽量&高機能DIY
近年、車中泊DIYの主流となりつつあるのが、「イレクターパイプ」を使った方法です。これは、スチールパイプにプラスチックをコーティングした軽量なパイプと、多彩な種類のジョイントを組み合わせて、自由に骨組みを作れる製品です。
- メリット:木材より軽量で高強度。設計の自由度が非常に高い。接着剤を使わないネジ式のジョイントを選べば、分解・再組立が簡単で収納にも困らない。
- デメリット:材料費がコンパネに比べてやや高価になる。パイプカッターなどの専用工具が必要になる場合がある。
N-BOXの場合、6本脚構造でベッドフレームを組むのが一般的です。脚の先端に高さ調整が可能な「アジャスター」というパーツを取り付ければ、車内の凹凸を吸収して完璧な水平を出すことができます。
天板には、パイプの上に直接マットを敷くか、軽量なスチール網や薄いベニヤ板などを載せて安定させます。この方法なら、ベッド下を広大な収納スペースとして活用できるのも大きな魅力です。
「イレクターパイプで車中泊ベッドを自作!設計から完成までの完全ガイド」では車中泊用のベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
手軽に設置できる車中泊キット
「DIYは時間も場所もスキルもない…」という方にとって、最も確実で手軽な解決策が、市販されているN-BOX専用の「車中泊キット」や「ベッドキット」の導入です。
これらの製品は、N-BOXの室内形状を精密に測定して設計されているため、まるで純正オプションかのように隙間なく完璧にフィットします。
多くは、土台となるフレームと、その上に載せるマットがセットになっており、誰でも簡単に設置できるのが最大のメリットです。市販キットの主なメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
頻繁に2人で車中泊に出かける方や、手軽に最高の快適性を手に入れたい方にとっては、非常に価値のある投資と言えるでしょう。
購入する際は、マットの素材(レザー調、ファブリックなど)や、ベッド下の収納スペースの高さ、分割して使えるかといった機能性を比較検討することが重要です。
N-BOXでの2人車中泊を快適にする工夫と注意点

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
- 本格的なキャンピングカーへの改造
- あると便利なポータブル電源
- 天井を活かす収納スペース拡張術
- プライバシーを守るサンシェード
- 安全に関わる車中泊の注意点
本格的なキャンピングカーへの改造

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
N-BOXは、そのポテンシャルの高さから、軽キャンパーのベース車両としても人気があります。大掛かりな改造をしなくても、いくつかのアイテムを追加するだけで、「走るリビング」や「移動できる秘密基地」のような、本格的なキャンピングカースタイルを楽しむことができます。
カーサイドタープでリビング空間を拡張
車中泊で「寝る」だけでなく「過ごす」ことを考えた時、圧倒的に活動スペースを広げてくれるのが「カーサイドタープ」です。N-BOXのバックドアやスライドドアの横にタープを設営することで、雨や日差しを避けられる快適なリビング空間が生まれます。
設営方法は、吸盤で車のボディに固定するタイプが最も手軽で、車を傷つける心配もありません。このタープの下にテーブルや椅子を置けば、そこで食事をしたり、調理をしたり、のんびりと景色を眺めたりと、楽しみ方が一気に広がります。
夏場は、バックドアを開け放ち、車体とタープの間に防虫ネット(蚊帳)を組み合わせることで、風通しの良い開放的な空間で虫を気にせず過ごせます。
スロープ仕様の活用と高度なDIY
N-BOXには、車椅子での乗降を想定した「スロープ仕様」のモデルがあります。この仕様は、車中泊やアウトドアにおいて非常に強力な武器となります。電動アシスト自転車やミニバイク、重たいクーラーボックスやポータブル電源などを、スロープを使って楽々と積み下ろしできるのです。
さらに本格的な改造を目指すなら、走行充電に対応したサブバッテリーシステムの構築や、壁や天井への断熱材の施工といったDIYもあります。
これらは専門的な知識が必要ですが、実現できれば季節を問わず快適に過ごせる、まさに「小さなキャンピングカー」を手に入れることができます。
あると便利なポータブル電源

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
現代の車中泊において、快適性を左右する最も重要なアイテムの一つが「ポータブル電源」です。特に、エンジンを停止して過ごすことがマナーとされる車中泊スポットでは、その価値は絶大です。
ポータブル電源で何ができるのか?
ポータブル電源とは、持ち運び可能な大容量バッテリーのこと。これ一台あるだけで、車中泊の快適性が飛躍的に向上します。具体的にどのようなことができるのか、以下の表にまとめました。
用途カテゴリ | できることの具体例 |
---|---|
季節を問わない温度管理 |
|
火を使わない安全な調理 |
|
多彩なデジタル機器の充電 |
|
夜間の快適な照明確保 |
|
選び方のポイント
ポータブル電源を選ぶ際は、「容量(Wh)」と「定格出力(W)」の2つが重要です。容量は使える電気の総量を、定格出力は一度に使える電化製品の消費電力の上限を示します。
2人で1泊するなら、スマートフォン充電と電気毛風の使用を想定して500Wh以上、調理もしたいなら1000Wh以上の容量があると安心です。
近年は、アウトドア向け電源として世界的なシェアを持つ「Jackery(ジャクリ)」などが人気で、安全性を示す「PSEマーク」を取得しているかどうかも必ず確認しましょう。ソーラーパネルとセットになった「ソーラージェネレーター」なら、日中に充電することで連泊にも対応できます。
「車中泊でポータブル電源はいらない?後悔しない選び方と代替案を解説」では、失敗しないポータブル電源の選び方について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
天井を活かす収納スペース拡張術

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
2人分の衣類、寝具、食料、調理器具、趣味の道具…車中泊は意外と荷物が多くなります。限られたN-BOXの空間を有効に使うには、デッドスペースになりがちな「天井空間」を収納として活用するのが鉄則です。
定番アイテム「ラゲッジネット」
最も手軽で効果的なのが「ラゲッジネット」です。N-BOXの室内にあるアシストグリップ(取っ手)4点にフックを引っ掛けるだけで、天井にハンモックのような収納スペースが生まれます。ここには、軽くてかさばるものを収納するのがおすすめです。
- タオル、ブランケット、着替え
- ティッシュボックス、キッチンペーパー
- お菓子やパンなどの軽い食料
- LEDランタンなどの小物
寝転んだまま、あるいは座ったまま手を伸ばして必要なものを取り出せるため、わざわざ荷室の奥から荷物を引っ張り出す手間が省け、車内での生活動線が非常にスムーズになります。
その他の収納アイデア
ラゲッジネット以外にも、収納力を高める便利なアイテムがあります。
例えば、前席の背面に取り付ける「シートバックポケット」は、散らかりがちな雑誌やタブレット、飲み物などをスマートに整理するのに役立ちます。
また、衣類や食料品といった荷物をまとめる際には、「折りたたみ式コンテナ」が非常に有効です。用途別にコンテナを分けておけば、荷物の管理がしやすくなるだけでなく、使わない時はコンパクトに畳んでおけるため、車内のスペースを圧迫しません。
そして、どうしても車内に収まりきらない大きな荷物や、濡れたり汚れたりしたものを積載する必要がある場合の最終手段が「ルーフキャリア」です。積載量は格段に増えますが、燃費の悪化や高速走行時の風切り音といったデメリットも考慮しなければなりません。
ご自身の荷物の量や旅のスタイルに合わせて、導入を検討するのが良いでしょう。
プライバシーを守るサンシェード

車中泊の達人!快適&便利な旅ガイド イメージ
車中泊において、「外からの視線を遮ること」は、快適性と安全性の両面から見て絶対に欠かせない要素です。
周囲に人がいる可能性のある場所では、窓が剥き出しの状態では落ち着いて過ごすことができません。サンシェードが必須とされる主な理由と、それによって得られる効果を以下の表にまとめました。
主な効果 | 具体的な内容 |
---|---|
プライバシーの確保 | 着替えや就寝中の姿を他人に見られる心配がなくなり、完全にリラックスできる自分たちだけの空間を確保できます。 |
防犯対策 | 車内の様子が見えないことで、車上荒らしのターゲットになるリスクを低減できます。「中に人がいるかもしれない」と思わせることが有効な抑止力になります。 |
安眠の確保 | 駐車場や道の駅の明るい街灯や、早朝のまぶしい朝日を物理的にシャットアウト。真っ暗な環境を作ることで、睡眠の質を格段に向上させます。 |
断熱効果 | 夏は強い日差しを反射して車内の温度上昇を抑制。冬は車内の暖気が窓から逃げるのを防ぐ保温効果があり、エアコンの効率もアップします。 |
カーテンという選択肢もありますが、設置の手間や隙間ができる点を考えると、窓の形にぴったりフィットする車種専用設計のサンシェードが最もおすすめです。
特に、厚手のキルティング素材などで作られたものは断熱性が高く、オールシーズンで活躍します。取り付けは吸盤式のものが多く、誰でも簡単に脱着できます。
安全に関わる車中泊の注意点
自由で楽しい車中泊ですが、一歩間違えれば重大な事故やトラブルに繋がる危険性もはらんでいます。安全対策を万全にして旅を楽しむため、ここではJAF(日本自動車連盟)や関係省庁などが発信している情報を基に、特に重要な注意点を解説します。
【最重要】一酸化炭素(CO)中毒の危険性
JAF(日本自動車連盟)をはじめとする多くの機関が、車中泊における一酸化炭素中毒のリスクについて強く警鐘を鳴らしています。
エンジンをかけたままの就寝は絶対に避ける
特に冬場、積雪によって車のマフラー(排気口)が塞がれると、排出ガス(一酸化炭素を含む)が車内に逆流し、短時間で中毒に至る危険性が非常に高まります。
一酸化炭素は無色・無臭のため、自覚症状がないまま意識を失うケースが報告されています。暖房器具は、エンジンを停止した状態で安全に使用できる電気毛布などを選びましょう。
エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)
厚生労働省によると、エコノミークラス症候群は、長時間同じ姿勢でいることで足の血流が悪化し、血の塊(血栓)ができて肺の血管を詰まらせる病気とされています。車中泊のように体を伸ばしにくい環境では、特に注意が必要です。
予防のために推奨されること
- こまめに水分補給をする。
- 定期的に車から降りて歩いたり、足の指を動かす・かかとを上げ下げするなどの軽い運動を行う。
- 就寝時は体を締め付けない、ゆったりとした服装を選ぶ。
- 可能であれば、クッションなどを使い足を少し高くして寝る。
熱中症のリスク
環境省は、夏場の車内での熱中症に注意を呼びかけています。エンジンを停止した車内は、外気温がそれほど高くなくても、直射日光などによって急激に温度が上昇します。夜間であっても、窓を閉め切った状態では熱がこもり、熱中症のリスクが高まります。
主な熱中症対策
- 標高の高い涼しい場所を車中泊場所に選ぶ。
- ポータブル電源と扇風機などを活用して空気を循環させる。
- 窓用の防虫ネットを取り付け、換気を確保する。
- 断熱効果の高いサンシェードで、日中の熱の蓄積を防ぐ。
駐車場所の選定とマナー
国土交通省は、「道の駅」は休憩施設であり、宿泊目的の利用は想定していないとの見解を示しています。安全で快適な車中泊のためには、場所選びとマナーの遵守が不可欠です。
基本的なルールとマナー
- 宿泊場所:車中泊は「RVパーク」や「オートキャンプ場」など、公式に許可された場所で行うのが原則です。
- 休憩施設での宿泊・キャンプ行為の禁止:「道の駅」や「SA/PA」での長時間の滞在や連泊は避けましょう。
- ゴミと騒音:ゴミは必ず持ち帰り、夜間は静かに過ごすなど、周囲への配慮を徹底しましょう。
N-BOXでの2人車中泊を快適に
これまで解説してきたように、N-BOXは適切な知識と準備さえあれば、2人でも十分に快適な車中泊が可能です。最後に、この記事の重要なポイントをリスト形式でまとめます。
- N-BOXは軽自動車の常識を超える室内空間で2人車中泊が楽しめる
- ホンダ独自の低床設計と高い天井が開放感を生み出している
- フルフラット時の就寝スペース長は最大約178cmで大人も足を伸ばせる
- 快適な睡眠の鍵はシートの凹凸をなくす完璧な段差解消にある
- 段差埋めにはまず家にあるクッションやタオルを試すのが手軽
- ニトリの厚手ウレタンマットはコストパフォーマンスが非常に高い
- 最高の寝心地を求めるなら厚さ10cm以上のマットレスがおすすめ
- DIYなら軽量で自由度の高いイレクターパイプでのベッド自作が人気
- 時間と手間をかけたくない場合は市販の車種専用ベッドキットが便利
- プライバシー保護、防犯、安眠、断熱のためにサンシェードは必須アイテム
- 天井のデッドスペースはラゲッジネットで収納スペースとして有効活用する
- ポータブル電源があればエンジン停止中でも家電が使えて快適性が飛躍的に向上
- 車内でのカセットコンロなど火気の使用は火災の危険があるため原則禁止
- 最も警戒すべきは一酸化炭素中毒でエンジンをかけたままの就寝は絶対にしない
- 車中泊は許可された場所で行い、ゴミの持ち帰りなどマナーを必ず守る