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ホンダN-VANは、その広い室内空間とアレンジの自由度の高さから、車中泊カスタムのベース車両として絶大な人気を誇ります。手にした一台を自分だけの「動く秘密基地」に変える楽しみは、多くのアウトドア愛好家やクリエイターを魅了してやみません。
しかし、これから始めようと考えている方にとっては「どんな方法があるのか」「何から手をつければ良いのか」など、多くの疑問があるのではないでしょうか。
この記事では、手軽なN-VANの車中泊仕様へのカスタムのアイデアから、本格的なアウトドア仕様の作り込みまで、あなたの理想を形にするための情報を網羅的に解説します。
簡単な車中泊仕様の自作のヒントや便利なカスタムパーツの紹介はもちろん、気になるデメリットや、2人での車中泊の注意点にも触れていきます。
また、車中泊キットのN-VAN純正品のメリットや、クオリティを追求したい方向けのカスタム専門店についても詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
記事のポイント
- N-VANが車中泊カスタムに適している理由
- DIYから専門店まで、予算や目的に合わせたカスタム方法
- 快適な空間を作るための具体的なアイテムとアイデア
- 購入前に知っておきたいN-VANのメリット・デメリット
目次
N-VANを車中泊仕様にカスタム | 始める前に知っておくこと

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- カスタムの前に知るN-VANの特徴
- 知っておきたい車中泊のデメリット
- N-VANでの車中泊 | 自作アイデア集
- 便利なカスタムパーツの活用術
- 手軽で安心な純正の車中泊キット
カスタムの前に知るN-VANの特徴

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N-VANがこれほどまでに車中泊カスタムのベースとして選ばれるのには、明確な理由があります。それは、他の軽バンとは一線を画す、ユニークで実用的な車体設計にあります。
カスタムを始める前に、まずはN-VANが持つポテンシャルを最大限に引き出すための特徴を、より深く理解しておきましょう。
助手席側ピラーレスの大開口部
N-VAN最大の特徴は、助手席側のセンターピラー(中央の柱)がない「ドアインピラー構造」です。
これは、衝突時の安全性を確保する骨格をフロントドアとスライドドア自体に内蔵させるという、ホンダの独自技術です。これにより、助手席ドアと後部スライドドアを同時に開けると、幅1,580mm、高さ1,230mmという圧倒的な大開口部が生まれます。
大きな家具や自転車の出し入れが楽になるだけでなく、サイドオーニングを広げれば車内と屋外が一体化した開放的なリビングスペースとしても活用でき、車中泊のスタイルに大きな自由度をもたらします。
低床フルフラットな荷室空間
ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」技術により、通常は後部座席下にある燃料タンクを前席下に配置。
これにより、N-VANは荷室の床を非常に低く設計することに成功しました。公式サイトによると、地上から荷室床面までの高さはわずか525mmで、重いクーラーボックスやポータブル電源の積み下ろしもスムーズに行えます。
さらに、助手席と後部座席を足元に格納する「ダイブダウン機能」を使えば、運転席以外が完全にフラットな空間になります。
最大荷室長は2,635mmにも達し、長尺物も余裕で積載可能。この段差のない広大なフラットフロアは、ベッドマットを敷くだけで快適な就寝スペースを作れるため、車中泊において最大のメリットと言えます。(出典:Honda公式サイト N-VAN インテリア)
DIYの強い味方「ユーティリティナット」
N-VANの荷室の壁面や天井には、標準で多数のM6サイズのネジ穴(ユーティリティナット)が合計28ヶ所も装備されています。
本来は事業者が棚やラックを取り付けるためのものですが、これがDIY派にとって非常に便利なポイントです。車体にドリルで穴を開けるといった不可逆的な加工を一切することなく、アイボルトを取り付けて荷物を固定したり、木の板を渡して棚を作ったりと、アイデア次第で様々なものを強固に固定できます。
初心者でも安心して、かつ本格的なカスタムに挑戦できる素晴らしい装備です。
知っておきたい車中泊のデメリット

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多くのメリットを持つN-VANですが、もちろん完璧というわけではありません。
購入してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、ベース車両が持つデメリットや車中泊ならではの注意点を事前に把握し、対策を考えておくことが重要です。
注意すべき3つのポイント
N-VANでの車中泊を快適にするには、特に「乗り心地」「燃費」「断熱性」という3つのポイントについて、事前の対策や理解が求められます。これらは購入後に簡単には変更できない要素のため、慎重に検討しましょう。
商用車ベースゆえの乗り心地
N-VANはあくまで荷物を積むことを主目的とした軽貨物車(4ナンバー)です。そのため、特に後部座席は乗用車(5ナンバー)に比べて簡素な作りになっており、座面も薄くリクライニング機能も限定的です。
大人が長時間乗車するには快適とは言えず、家族や友人を乗せての長距離ドライブでは不満の声が上がる可能性があります。
運転席の乗り心地は比較的良好ですが、人を乗せる機会が多い方は、購入前に必ず後部座席の座り心地を試乗で確認することをおすすめします。
ターボ車でも燃費は期待しすぎない
高速道路の走行や重い荷物を積んでの移動を考えると、力強い走りが魅力のターボ付きモデルが魅力的です。
しかし、燃費性能については過度な期待は禁物です。実際のオーナーの声やレビューを見ると、高速道路を巡航しても燃費が14km/L前後というケースが多く報告されています。これは、最新の軽乗用ワゴンが20km/L以上を達成することも珍しくない中では、見劣りする数値です。
さらに、燃料タンク容量が27L(4WDは25L)と小さめなため、特に北海道のような広大な土地を旅する場合、給油の頻度が高くなることを念頭に置いておきましょう。
車種 | グレード | カタログ燃費 |
---|---|---|
N-VAN | FUN・ターボ | 18.8 km/L |
N-BOX | ファッションスタイル | 21.6 km/L |
夏は暑く、冬は寒い断熱性の問題
これはN-VANに限りませんが、多くの車は外気温の影響を受けやすく、特に鉄板がむき出しの部分が多い商用バンは断熱性が高くありません。
対策をしないと、夏は日中の熱が車内にこもって夜も寝苦しく、冬は地面からの冷気で底冷えしてしまいます。
快適な車中泊を実現するためには、窓用のマルチサンシェードや、天井・壁面への断熱材の施工といった対策がほぼ必須となります。
一手間かけることで、車内環境は劇的に改善します。
N-VANでの車中泊 | 自作アイデア集

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N-VANカスタムの醍醐味は、なんといっても自由な発想で自分だけの一台を作り上げられるDIYにあります。
ここでは、比較的簡単に挑戦できて、車内の快適性を大きく向上させる自作アイデアを、より具体的にご紹介します。
いきなり木材をカットするのはハードルが高いと感じる方は、まずは段ボールで実物大の模型(モックアップ)を作ってみるのがおすすめです。
実際のサイズ感や他の家具との干渉、使い勝手を確認しながら進めることで、高価な材料を無駄にすることなく、失敗を大幅に減らせますよ。
イレクターパイプで自由自在に骨格を作る
DIY初心者にとって最も手軽で強力なツールが、「イレクターパイプ」です。
これはスチールパイプを樹脂でコーティングしたもので、多種多様なプラスチック製・金属製のジョイントパーツと組み合わせることで、溶接や専門工具なしで自由に骨格を組むことができます。
N-VANのユーティリティナットと連結できる専用パーツも市販されているため、これを利用して天井に軽量な荷物を置くための収納スペースを作ったり、頑丈なベッドのフレームを組んだりするのが定番のカスタムです。
計画的に設計すれば、後からの拡張や変更も容易な点が大きな魅力です。
「イレクターパイプで車中泊ベッドを自作!設計から完成までの完全ガイド」では、車中泊用のベッドキットのDIYについて詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
床の完全フラット化と断熱で寝心地を追求
前述の通り、N-VANはシートを倒せばフラットになりますが、シートの継ぎ目にあるわずかな隙間や凹凸が、長時間の就寝では意外と気になるものです。より快適な寝心地を追求するなら、床のカスタムから始めましょう。
市販の車種専用フロアパネルを導入するのが最も手軽ですが、コストを抑えたい場合はホームセンターで手に入るコンパネ(合板)をカットして自作することも可能です。
その際は、まず大きな模造紙や段ボールで床の型紙を取り、それを基に板をカットすると失敗がありません。
床を平らにした後は、その下に厚手の銀マットや住宅用の断熱材(スタイロフォームなど)を敷き込むことで、地面からの冷気や熱を効果的に遮断し、一年を通しての快適性が格段に向上します。
収納棚とテーブルで快適なリビング空間を製作
車内での生活を快適にするには、小物や調理器具を整理整頓できる収納スペースの確保が不可欠です。
N-VANの強みであるユーティリティナットを活用し、1x4(ワンバイフォー)材などの木材をボルトで固定して、棚の土台を作りましょう。この土台さえあれば、あとは好きな高さに棚板を取り付けたり、折りたたみ式のテーブルを設置したりと、アイデア次第で様々な展開が可能です。
木材の角を紙やすりで丁寧に丸く面取りし、ワトコオイルなどのオイルステインで塗装するだけで、「日曜大工感」がなくなり、プロが仕上げたような美しい仕上がりになります。
便利なカスタムパーツの活用術
「DIYに挑戦する時間や自信はないけれど、快適な車中泊仕様にしたい」という方には、市販の専用カスタムパーツの活用がおすすめです。
N-VANは人気車種のため、様々なメーカーから「かゆいところに手が届く」便利なパーツが数多く販売されており、それらを組み合わせるだけでも十分に理想の空間を作り上げることができます。
置くだけで完成「ベッドキット」
車中泊カスタムの定番中の定番が、車種専用のベッドキットです。
これは、車内の形状にぴったり合わせて設計されたフレームと厚手のマットのセットで、多くは工具を使わずに設置できる手軽さが魅力です。一度設置すれば、段差のない広々としたベッドスペースが常に確保され、マット下は大きな収納スペースとして活用できます。
MGRCustoms社などの専門メーカーが有名で、価格は5万円台からと、比較的手軽に導入できます。
マットの表皮も汚れに強いPVCレザーや、温かみのあるパンチカーペットなどから選べるため、自分のスタイルに合ったものを選びましょう。
項目 | 特徴 |
---|---|
メリット | 工具不要で設置が極めて簡単。寝心地が良く、ベッド下を大容量収納として活用できる。 |
デメリット | DIYに比べて費用がかかる。パーツが大きく重量もあるため、使わない時の保管場所が必要になる。 |
窓のプライバシーと断熱「サンシェード・カーテン」
外からの視線を遮り、プライバシーを確保するために必須のアイテムです。特にN-VANは窓が大きいため、対策は欠かせません。
車種専用に設計されたキルティング素材のサンシェードは、窓に吸盤で貼り付けるだけでぴったりフィットし、光漏れが少ないのが特徴です。
また、断熱性の高い素材で作られたものであれば、夏の強い日差しによる車内温度の上昇や、冬の冷気の侵入を大幅に和らげる効果も期待できます。
より手軽さを求めるなら、カーテンレールを取り付けて遮光カーテンを設置するのも良い選択肢です。
カーテンレールのスマートな取り付け方
N-VANの内張りに穴を開けずにカーテンレールを取り付ける方法もあります。
ホームセンターなどで手に入る、手で自由に曲げられる出窓用のカーテンレールと、L字型の取り付け金具を組み合わせます。
この金具を少し変形させ、内張りの隙間に慎重に差し込んで固定することで、車体を傷つけることなくスマートに設置が可能です。
「車中泊の目隠しはニトリで代用可能!おすすめ商品やDIYの方法を徹底解説」では、ニトリ商品を利用した車内の目隠し対策について解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
手軽で安心な純正の車中泊キット

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DIYや社外品に不安を感じる方や、クオリティと車両との一体感を最重視する方には、ホンダの純正アクセサリーという選択肢があります。
車両を開発したメーカー自身が専用に設計しているだけあり、フィット感、安全性、耐久性は抜群で、長く安心して使用することができます。
荷室を2段活用できる「マルチボード」
ホンダの純正アクセサリー部門であるホンダアクセスが提供するパーツの中でも、車中泊ユーザーから特に人気なのが「マルチボード」です。
これは荷室空間を上下に分割するための非常に頑丈な棚で、荷室後方の「ラゲッジ用」と、後部座席上部の「リア用」の2種類が設定されています。
これを設置した状態でシートをダイブダウンさせると、上段を完全にフラットなベッドスペース、下段を大容量の収納スペースとして完全に分離して活用できます。
就寝時に足元の荷物を移動させるといった手間が一切不要になるため、非常にスマートで快適な車中泊が可能です。
項目 | ホンダ純正マルチボード | 社外品ベッドキット |
---|---|---|
価格帯の目安 | 約12万円~(用品代+正規ディーラー取付工賃) | 約5万円~10万円(製品代のみ) |
最大の特徴 | 圧倒的な品質・耐久性 許容荷重はラゲッジ用200kg、リア用100kg | 手軽さとバリエーション 工具不要で脱着が容易な製品が多い |
注意点 | 専門的な取り付けが必要で、一度付けると簡単には外せない | 製品によって品質や耐久性に差があり、選定眼が必要 |
ただし、価格は社外品のベッドキットに比べて高価であり、取り付けにはディーラーでの専門的な作業が必要です。
一度設置するとユーザーが自分で簡単に取り外すことは難しいため、普段から荷室を上下に分けて使いたい方や、常に車中泊できる状態にしておきたい方向けの選択肢と言えるでしょう。
(参照:Honda公式サイト N-VAN純正アクセサリー)
N-VANで車中泊 | カスタムの実例と応用

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- N-VANの車中泊仕様の多彩な実例
- より楽しむためのアウトドア仕様
- 2人で快適に車中泊するためのカスタムのコツ
- 頼れるカスタム専門店の紹介
N-VANの車中泊仕様の多彩な実例
N-VANのカスタムは、オーナーの個性やライフスタイルを映し出す鏡です。ここでは、目的やテーマ別に作り上げられた、創造性あふれる車中泊仕様の実例を3つの異なるスタイルでご紹介します。
あなたの「こうしたい!」という理想のカスタム像を描くための、具体的なヒントがきっと見つかるはずです。
ミニマリスト・ノマドワーカー仕様
「平日は仕事の道具を積み、週末は旅に出る」というデュアルユースを追求した、機能性を最優先するスタイルです。
この仕様の特徴は、過度な装飾を排し、シンプルで可変性の高いレイアウトにあります。ベッドは工具不要で簡単に折りたためる構造になっており、日中は荷室を広々としたワークスペースとして活用。
大容量のポータブル電源をシステムの核に据え、PCや複数のガジェットを同時に充電できる環境を整えています。
必要なものを標準化された収納ボックスに収め、無駄を徹底的に省くことで、数分で「仕事モード」と「旅モード」を切り替えられる合理性が魅力です。
趣味に没頭する「移動秘密基地」仕様
写真撮影や釣り、天体観測など、特定の趣味に深く没頭するための「特化型」カスタムスタイルです。
例えば、写真家であれば、高価なレンズやカメラボディを衝撃から守るための専用クッション材を入れた引き出し収納を設置。車内の各所に増設したUSBポートやACコンセントで、複数のバッテリーを同時に充電できる電源ステーションを構築します。
また、日中の仮眠や車内での機材整理に集中できるよう、外光を完全に遮断する遮光カーテンは必須装備。このように、趣味の道具を安全に保管し、最高のパフォーマンスを発揮するための工夫が随所に凝らされています。
高価な機材を車内に保管する場合、収納ボックスや引き出しには、必ず外部から施錠できるロック機構を追加しましょう。
物理的なセキュリティ対策が、盗難リスクに対する大きな安心感に繋がりますよ。
温もりあふれる「バンキャビン」仕様
効率や機能性だけでなく、車内で過ごす時間そのものの心地よさを追求したスタイルです。
壁面や天井に、本物の木材(羽目板)を丁寧に貼り巡らせることで、まるで山小屋(キャビン)のような温かみと木の香りに包まれた空間を演出します。
照明は、白色の蛍光灯ではなく、暖色系のLEDダウンライトや間接照明、ストリングライトなどを採用し、シーンに合わせて明るさを調整できるようにするのがポイント。
ファブリック類も、カーテンやクッションにウールや帆布といった自然素材のものを取り入れることで、全体の統一感を高め、自分だけの癒やしの空間を創り上げています。
より楽しむためのアウトドア仕様

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N-VANのポテンシャルは、快適な車内空間の構築だけにとどまりません。
アウトドアアクティビティの拠点として、その能力をさらに引き出すためのエクステリア(外装)を中心としたカスタムも非常に人気があります。
積載量を大幅アップ「ルーフキャリア」
キャンプ道具や濡れたウェットスーツ、コンテナボックスなど、車内には積みたくない、あるいは積みきれない荷物を運ぶのに絶大な効果を発揮するのがルーフキャリアです。
車内の居住スペースを圧迫することなく積載量を増やせるため、特にファミリーキャンプや長期旅行で活躍します。見た目もぐっとワイルドになり、アウトドア感を高めるドレスアップ効果も抜群です。
ただし、積載物を含めた高さが軽自動車の全高制限である2.0mを超えないよう注意が必要です。(出典:全国軽自動車協会連「軽自動車の規格」)
居住空間を拡張「サイドオーニング」
車の側面に取り付け、日よけや雨よけの屋根を手軽に展開できるのがサイドオーニングです。
N-VANのピラーレス大開口部と組み合わせれば、車内と屋外がシームレスにつながる広大なリビングスペースを、わずか数分で作り出すことができます。テーブルやチェアを並べて、景色の良い場所で食事や休憩を楽しむのに最適なアイテムです。
突然の雨でも慌てずに済むという安心感は、アウトドアでの体験の質を大きく向上させてくれます。
バイクや自転車を積む「トランポ仕様」
N-VANの低床で広大な荷室を活かし、オートバイや自転車を積載する「トランスポーター(通称:トランポ)」としてのカスタムも根強い人気を誇ります。
折りたたみ式のラダーレール(渡し板)を使えば、100kgを超えるようなオートバイでも比較的安全に積み下ろしが可能です。目的地まで快適に移動し、ツーリングやサイクリングを存分に楽しんだ後は、そのまま車中泊するという、最高に自由な旅のスタイルが実現します。
バイクを固定する際は、床にフックを追加したり、専用のスタンドを使用したりと、安全な運搬のための工夫が重要です。
2人で快適に車中泊するためのカスタムのコツ
ソロでの利用と比べて、2人での車中泊はスペースが限られるため、より一層の工夫が求められます。
圧迫感なく、お互いがストレスフリーで快適に過ごすためのカスタムのコツを具体的に押さえておきましょう。
2人利用で重要なのは「収納効率」と「パーソナルスペース」
荷物が倍になり、一人当たりの空間が半分になる2人での車中泊では、いかに効率よく収納し、お互いのパーソナルスペースを確保するかが快適さの鍵となります。
ベッドサイズはセミダブル(幅120cm)以上を目安に
市販されているN-VAN用のベッドキットの多くは、幅120cm前後のセミダブルサイズに設計されています。
これは、一般的な体格の大人2人が就寝できるサイズとされていますが、人によっては窮屈に感じる場合もあります。購入前には必ずサイズを確認し、可能であれば実物を見てみるのが理想です。
DIYでベッドを製作する場合は、車内幅の許す限り、少しでも広く設計すると快適性が大きく向上します。
荷物の「定位置」を決め、共有する
2人分の着替え、洗面用具、趣味の道具は想像以上にかさばります。
荷物を無計画に置くと、あっという間に足の踏み場もなくなってしまいます。「ベッド下はキャンプ道具」「天井収納は着替え」「助手席側はAさんの荷物」というように、荷物の種類ごとに厳格に定位置を決め、二人でルールを共有することが重要です。
特に、すぐに使わない季節物や予備の道具はベッド下の一番奥に収納し、就寝スペースを常にすっきりと保つことを心がけましょう。
換気とプライバシーの両立、そして安全
2人で就寝すると、車内の二酸化炭素濃度が上がりやすく、呼気に含まれる水分で窓の結露も発生しやすくなります。
快適な睡眠と安全のため、換気は必須です。しかし、ただ窓を開けるだけでは防犯上もプライバシーの観点からも不安が残ります。そこで非常に役立つのが、窓枠にはめ込むタイプの網戸(ウィンドウメッシュ)です。
虫の侵入を防ぎながら効果的に空気の入れ替えができ、外からの視線も適度に遮ってくれます。
「車中泊の換気対策完全ガイド!おすすめグッズとDIYについても紹介」では、車内の換気対策について詳しく解説しているので、そちらも参考にしてみてください。
就寝中のエンジン稼働と一酸化炭素中毒のリスク
冬場の寒さ対策として、就寝中にエンジンをかけてエアコンを使用するのは絶対に避けてください。マフラーの排気ガスが車内に侵入し、一酸化炭素中毒を引き起こす危険性があります。
特に積雪時にマフラーが雪で塞がれると、そのリスクは格段に高まります。暖房には、安全基準を満たした電気毛布やFFヒーターを使用してください。
頼れるカスタム専門店の紹介

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「DIYは苦手だけど、機能的で美しい理想のN-VANを作りたい」「FFヒーターやサブバッテリーなど、専門的なカスタムを安心して任せたい」という方は、軽キャンパーを専門に扱うカスタムビルダー(専門店)に相談するのが最善の選択です。
専門店に依頼する最大のメリット
プロのビルダーは、長年の経験と専門知識に基づき、デザイン性と機能性を高いレベルで両立させた高品質なカスタムを実現してくれます。
特に、エンジンを停止した状態で暖房や電化製品を使えるようにするサブバッテリーシステム、FFヒーター、ソーラーパネルといった電気系統の設置は、ショートや火災のリスクも伴うため、専門家に任せるのが最も安全です。
また、独自技術によるポップアップルーフや、対座シートになる回転シートなど、個人では実現不可能な特殊な架装も可能です。
代表的なカスタムビルダー「ホワイトハウス」
N-VANのカスタムコンプリートカーで特に有名なのが、老舗キャンピングカービルダーの「ホワイトハウス」です。
ホンダと共同で企画・開発した「N-VAN COMPO」シリーズは、まるでメーカー純正品のような美しい仕上がりと、考え抜かれた機能性が大きな魅力です。
ポップアップルーフを装備して就寝定員を4名に増やせるモデルや、シンクや電子レンジを備えて自炊も可能な本格的なキャンパー仕様など、多彩なラインナップが用意されています。
完成車を購入するため初期費用は高くなりますが、購入後すぐに最高の環境で旅に出られるという大きなメリットがあります。
(参照:ホワイトハウス公式サイト)
理想のN-VAN!車中泊仕様へのカスタムを実現
記事のポイントをまとめます。
- N-VANはピラーレス大開口部や低床設計がカスタムに適している
- ユーティリティナットの活用で車体を傷つけずにDIYが可能
- 車中泊のデメリットは乗り心地・燃費・断熱性の理解が必要
- DIYの第一歩はイレクターパイプや床のフラット化がおすすめ
- 純正品のマルチボードは高品質だが高価で脱着が難しい
- カスタム実例を参考に自分の理想のスタイルを見つける
- 天井や壁の断熱施工は快適性を大きく左右する重要な工程
- ルーフキャリアやサイドオーニングでアウトドアの幅が広がる
- バイクを積むトランポ仕様もN-VANなら実現可能
- 2人での利用は収納の効率化とベッドサイズが重要になる
- 換気とプライバシー確保にはウィンドウメッシュが有効な手段
- 電気系統のカスタムは安全のために専門店への依頼を推奨
- ホワイトハウスなどの専門店ではポップアップルーフも可能
- 自分の目的と予算に合った最適なカスタム方法を選ぼう